2003 04 01

悲しいこと

昨日から浜松町勤務。 通勤に1時間半。 これだけで消耗してしまう。 この生活が何時まで続くのか…

駅前のコンビニを出て少し歩いたところに、抱き合っている男女がいた。 正確には、女の子は男の子の服を掴んで胸に顔を押し付けて、男の子はちょっと困った様子で肩に手を回していた。 高校生らしい。 俺がそいつらの横を通り過ぎるとき、同じ制服を着た別の男の子が自転車でやってきて、声をかけた。

「どうしたの? 泣いてるの? 今日が誕生日じゃなかったっけ?」

「そうなんだけど、誰も何も言ってくれなかったんだって」

誕生日なのに、誰も何も言ってくれなかった。 そんなことは、俺からすれば、まったくどうでもいいくだらないことだ。 しかし、その女の子にとってはとても悲しいことだったのかもしれない。 けどまぁ、それがどれだけ悲しいことだったかは別として、女の子にとって重要なのは、 「自分が悲しいと訴えたときに、肩に手を回してもらえること」 なんだろうと思う。 「そんなことは大したことじゃない」 なんて説得ではなくて、ちょっと困った顔をしながらでも、くだらない愚痴を聞いて肩を抱いてもらえることが大切なのだ。 むしろ、ちょっと困った顔をしてくれる方が、自分のことを大事にしてくれているということを実感できるのかもしれない。 そうして、愚痴を吐き出すだけ吐き出して、少しずつ落ち着いていくのだろう。 愚痴は感情の排泄。 とすれば、あの女の子にとって、あの男の子は感情の便器か。

しかしまあ、余計な口を挿まずに愚痴を聞くってのは、ある種の才能だな。 俺にはできない。