2015 09 01

電網恢々

佐野研二郎デザイン(?)の東京オリンピックのシンボルマークが撤回になった。 シンボルマーク発表当日のニュースで見た最初の印象が 「かっこ悪い」 だったので、撤回になったのは良かったと思うが、あれを選んでしまうセンスの人たちがまた選ぶのだとするなら、次のもあんまり期待できそうにないな。

前回の東京オリンピックのやつが、シンプルで力強くていかにも日本って感じで良いと思うのだが、あれをまた使うのは駄目なんだろうか。 まあ、駄目なんだろうな。 招致活動で使っていた桜のやつもまあまあだと思うのだが、招致活動に使ったものは規定で使えないとか。 何でそんなことを規定するのか、その意味がわからない。 利権か?

まあ次は期待せずに待つとして、今回の撤回までの流れが、いかにもネットの時代で正直ちょっと面白かった。

これらが、もう本当にあっという間に次々に。

で、佐野君だが、他に適当な看板がないからデザイナーを名乗っているだけで、彼の中では誇り高いコラージュ職人なのかもしれないな。 パクリ疑惑の作品と元ネタとを並べられているのを見ていると、なんかもう 「絶対にオリジナルを作らず、ネットから拾ってきた画像だけで仕事する」 という強い意志があるんじゃないかと思ってしまうよ。

そうそう、人脈ってのは、兄が経産省の官僚だとか、親戚が国立競技場建設の職員だとか、審査員が佐野とつながりのある人ばかりだとか、要は今回の選考が出来レースじゃないかと疑いを持たせるってことなのだが、これは今更だよな。 出来レースじゃないのを探すほうが難しいだろう。

ところで、一連の報道の中にPinterestに関する記事もあったのだが、これがちょっと気になった。 netgeekからその記事。

法廷闘争にまで発展することが決まったデザイナー佐野研二郎氏のパクリ疑惑について、デザインの仕入元ではないかと囁かれていたPinterestを佐野研二郎氏が利用していることが判明。そして同時にアカウントを消したことが明らかになった。

Pinterestは秀逸なロゴやデザインが共有されるサイト。

デザイナーの間では眺めているだけで勉強になると有名で、日本でも一部業界で人気があるサービスだ。 パクリ被害にあったベルギーのデザイナーは「Pinterestにロゴをアップしていたので、彼はそこから盗んだのではないか」と発言していた。

また、その後「BEACH」の赤い看板や泳ぐ女性、ベルギーのリエージュ劇場のロゴについてもPinterestに投稿があったことが分かった。

さて、その点について記者が佐野研二郎氏に「Pinterestは見たことがありますか?」と質問したところ、佐野氏は「見ておりません」と回答。

見たことがあるかと経験を尋ねているのに、「(現状は)見ていない」と少しずれた回答だ。 何かやましいことでもあるのだろうか…。

試しに公開されている佐野研二郎氏のメールアドレスを入力してみると、なんと「すでに使用中」と出た。

やはりPinterestを見たことはあったのだ。 正直に話せばいいのに一体何を隠しているのか。

なお、Pinterestは登録する際に、メールアドレスに承認用のURLが送信される仕組みになっている。 それゆえ他人が勝手に登録することはできないのだ。 そしてPinterestに「sanoken」という名前で登録され、後に「nicok」という名前に変えられたアカウントがあるのが見つかった。 佐野研二郎氏のアカウントかどうか確認する術はないものの、かなり怪しい。

nicokのURLはこの記事執筆時点では「sanoken」のまま → https://www.pinterest.com/sanoken/

そして、「nicok」はなぜか退会してしまった。

証拠が全て消えてしまったのだ。 以上の情報をまとめると、佐野研二郎氏がPinterestのアカウントを持っていたのは確定。 「sanoken」、「nicok」が佐野研二郎氏のアカウントかどうかについては確証はない。この一件は限りなく黒に近いグレーといったところか。

佐野君がPinterestのユーザーだったってのは、多分そうなんだろう。 パクるネタ探しだったのか、自分の作品の公開だったのか、目的はわからないが。

しかし、ユーザーかどうかを確認するのに、他人のメールアドレスを使って登録してみるというのはどうなんだろう。

認証の仕組み上、記者が佐野君のメールアドレスでアカウントを作成することはできないし、そうした操作があったことを本人も知ることになるけど、だからって勝手に他人のメールアドレスで登録しようとしちゃ駄目だろ。 そのメールアドレスが公開されているものであっても。 まあ、メールアドレスを使っただけでは佐野君のアカウントで操作することはできないし、これだけじゃ不正アクセス防止法違反にはならないだろうけどさ。