先週の土曜日だったか、とんかつ屋に入ったときのこと。 20代半ばのオタク風の二人が、朝鮮人について熱く語っていた。 いろいろ言っていた中で面白かったのは 「チョン」 という言葉について。 曰く、
「バカでもチョンでも」 とか、昔はなんとも思わずに使ってたんだけど、 「チョン」 って朝鮮人のことなんだよ。 それ知っちゃうともう使えないよ。 「バカチョンカメラ」 も。 こーゆーの、みんな知らないから平気で使ってるんだよ。 無知なんだよ。 こんなこと学校では教えないし。 ってゆーか、学校の先生も知らないんだろうし。
まあ、 「バカでもチョンでも」 の 「チョン」 が朝鮮人だと知ったら、ちょっと吃驚するだろう。 チョンを日本人の蔑称に置き換えて言われたら、やっぱりいい気はしないしね。 けど、 「チョンって何だろう?」 という疑問をもって調べたら、一瞬でわかることなんだよな。 彼の場合は、多分最近、朝鮮について調べているうちにぶつかったんだろうけど、それまでは何の疑問も持たなかったのかな。 ついでに言えば、 「チョン」 は、朝鮮併合の次期を経てすっかり朝鮮人の蔑称として定着しているが、元は江戸時代に賤民を指していたという説もある。
朝鮮について、というか近代以降の歴史について、学校であまり触れられていないのは確かで、それにはまあいろいろと情け無い事情がある。 この点は彼の言う通りなのだが、それでも、自分がこれまでに 「バカでもチョンでも」 と言ってきたことに学校を持ち出すのは、なんかちょっと引っ掛かるものを感じるな。 自分の罪を、言い訳付でなければ認められない弱さというか。 それはまあ、健全で善良な弱さなんだけど。 善良と言えば、 「みんな知らないから使っている」 と思うところも、こいつの善良さの現われだろう。 俺は、どっちかと言うと、知って尚使うやつがたくさんいると思うんだけどね。
ところで 「バカチョンカメラ」 だが、これは彼が思っている 「バカでもチョンでも撮れるカメラ」 じゃなくて、 「バカでもチョンと押せば撮れるカメラ」 だったはず。