このところCMでよく見るようになった自動運転だが、アメリカで初めて自動運転中の死亡事故が起きたのだそうだ。 日経から抜粋。
米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズは30日、セダン「モデルS」で「自動運転モード」作動中に死亡事故が起き、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が調査に入ったと発表した。 テスラの自動運転モードでは、前の車の自動追従、自動レーン変更など運転支援により初歩的な自動運転が可能。 事故がシステムの不備によるものかどうかは分かっていない。
テスラによると、高速道路の分岐地点でモデルSはトレーラーの下に潜り込む形で衝突した。 光が非常にまぶしい状態で車両のシステムも運転者もトレーラーを認識できず、ブレーキをかけた形跡がないという。
テスラは「自動運転モードには1億3千万マイル(約2億1千万キロメートル)以上の走行実績があり、初めて死亡事故が起きた。米国では9400万マイルに1件、死亡事故が起きている」とし、人間の運転より安全だと強調した。
衝突防止のためにはまず距離を測ることが必要で、そのためのセンサーを車体の最外周につけておいた。 地上からおよそ30cmぐらいの高さ。 他の自動車も大体このぐらいの高さで認識できるし、人、特に小さな子供でもこの高さなら検知できる。 しかしトレーラーのようなタイヤがでかくて車体の下の空間が大きい車種に対しては正しく距離を測定できなかった。 だって地面から30cmの高さにはタイヤしかないスカスカだし。 なんてオチじゃないかと想像しているのだが、実際はどうなんだろうね。
光が非常に眩しいと使えなくなるセンサーだけに頼るのではなく、レーダーや超音波と併用すれば良いのに。 と言うか、併用しないってありえないだろうと思ったら、テスラにもその認識はあるらしい。
テスラのサイトにあった自動運転の宣伝文句。
自動運転技術はフォワードビュー カメラ、レーダー、そして360度超音波センサーをリアルタイムの交通情報と組み合わせることで、道路状況を選ばずにModel Sの自動運転を可能にします。 車線変更は方向指示器の操作1つで行えるようになり、目的地に到着すると、Model Sは駐車スペースを見つけて自動的に駐車するようになります。 安全機能は標準で装備され、一時停止標識、信号、通行人を常時監視すると共に、意図しない車線変更を警告します。
これらの自動運転技術は、ソフトウェアアップデートを通して段階的に有効になります。
現段階で承認されている自動運転技術は、米国道路交通安全局(NHTSA)および日本の国土交通省が定義する自動運転のレベル2に相当し、ドライバーが運転の監視操作のもと、運転中に潜む最も退屈で危険な瞬間をカバーします。 完全にドライバーが不要となるクルマの出現はまだ先のことですが、私たちは安全性をさらに向上し、ドライバーがより自信を持って運転できるよう、また、高速道路の運転がより楽しくなるように自動運転を開発しています。 自動運転技術が有効になっていてもドライバーはクルマを完全に制御することができ、その責任はドライバーが負います。
前段が実現したい姿で、後段が現状。 これだと、どこまで実装されているのかが今一つはっきりしないが。
これ、事故を起こしたのがトヨタだったら、きっとボロクソに叩かれていたんだろうな。 「私もこんな危険な目にあいました!」 なんてフォロワーがたくさん湧いて出て裁判が始まり、調査のためと称してセンサーとかソフトウェアとかを全部提出させられるのだ。
まあそれはそれとして、今はもう自動車にまで、それも走る/曲がる/止まるといった基本的な機能に対して
ソフトウェアアップデートを通して段階的に有効になります
なんて文言がついてくる世の中なんだよな。
日本の企業も、この辺りもっと割り切って進めればいいのに。
なんて他人事のように言ってないで、まずは自分から始めてみるか。
「できました」
「おお、速いですね。 って、あれ? 検索はできないんですか?」
「ソフトウェアアップデートを通して段階的に有効になります」
「更新は?」
「ソフトウェアアップデートを通して段階的に有効になります」
「…」
まずあいつのアップデートってことになりそうだな。
曇り空。 たぶんテスラに優しい空。