子供を対象とした性犯罪が増えているのは、大人の女とまともに付き合えない男が増えているから。
連続幼女殺人の宮崎の頃からずっと言われていることを、先日また電車の中で聞いた。 言ってたのは、大学生ぐらいの女の子。 この後に 「私の周りにもろくなのがいなくて…」 と、周囲の男がいかに駄目かを熱く語っていた。
彼女が言いたかったのはこの後に続く部分だったんだろうが、俺が気になったのは最初の言葉。
ということで、ちょっと調べてみた。
棒グラフは、厚生労働省の統計資料 平成19年人口動態調査 の一部である 初婚−再婚別にみた年次別婚姻件数及び総数に対する再婚の割合 から、男の婚姻状況を抜き出したもの。 縦軸は左側。 もっと長い期間で見れば婚姻は緩やかに減少していく傾向だが、ここ数年は下げ止まり(?)状態。 ただし、その内訳を見ると、再婚する男は増えているが、初婚の男は減っている。
彼女の言ってた 「まともに付き合う」 がどんな状態を指しているのかは判らない。 しかし、婚姻がそんな付き合いの延長線上にあるのだとすれば、大人の女とある段階以上に付き合う男は減っているのだろう。
折れ線グラフは、警視庁の統計資料 平成19年中における少年の補導及び保護の概況 の一部である 少年の刑法犯被害認知件数の推移 から強姦と強制猥褻を抜き出したもの。 縦軸は右側。 強姦、強制猥褻、振れ幅こそ違うが、どちらも同じく2003年をピークに減少傾向にある。
何であれ表に出るのは氷山の一角。 明るみに出る件数と実際の被害者数とは必ずしも一致しないだろうが、増加・減少といった傾向は警察の認知件数と同じになるだろう。 被害者の数の増減は、そのまま犯罪の数の増減と考えられるので、子供を対象とした性犯罪は2003年をピークに減少傾向にあると言っていいと思う。
彼女は女子大生ぐらいだった。 話の後段は 「私の周りにも」 だった。 この辺りから察するに、社会的な変化を考えるときに想定している期間は長くても5年ぐらいだろう。 直近5年でグラフを見れば、
となる。 敢えて言うなら、 「子供を対象とした性犯罪が減っているのは、大人の女とまともに付き合えない男が増えているから」 となるのだな。 ま、そもそも両者に関係なんて無いんだろうが。
こうした話を聞くときにいつも不思議に思うのだが、大人の女って何だろう。 「大人の女性とまともに付き合えない男がふえているから」 と男に責任を押しつけて、しかし 「そんな男が増えているのは、まともに付き合いたくない大人の女が増えているからかもしれない」 なんて自省が一欠片も無い彼女は、彼女の言う大人の女なんだろうか。