1998 05 03

アダルトチルドレン

電車が込みそうな日を避けて、広島に帰ってきた。

俺の両親は別居しているので、実家に帰るというのは微妙な表現なのだが、以前住んでいた家に帰ることをもって、実家に帰ると称している。 もうどのくらい前のことだろうか。 妹が、こちらに遊びに来るついでに持ってきた、親の離婚届にサインした。 その後、その離婚届が発効したのかどうか、実は知らない。 尋ねもしない。 父が殆どアル中で、酔っては暴れるというのが直接の原因だが、そこに至る経緯は複雑なのだ。 しかし、酔って暴れた本人が、そのことを覚えていないというのは、関わった誰にとっても悲劇であるように思う。 現在、父は家を出て、アパートで一人暮らし。

実はこの別居というのが、結構いい選択だったのではないかと、外から見ている俺は思う。 一緒に暮らすからこそ耐えなければならない色々なことが、別居すれば解消(解決ではない)してしまうからだ。 今に至って、たまに家に来て(帰って?)いるらしい。 俺が帰省している間は、俺が帰省しているからということで、毎日昼過ぎにやって来て、おやすみを言った後、自分のアパートに帰っていった。

中国新聞には、 男は辛いよ という、夫婦の問題を扱った連載がある。 家にあった何日分かの新聞で読んだ。 投書中心の、およそ薄っぺらでありきたりなものだったのだが、いくつか印象的な部分があった。

それぞれ絡み合っているのだが、簡単に言うと、無自覚な部分に原因があるということだ。 そしてそれは、解決が絶望的に難しいということだ。 さらに悲劇なのは、これらは親から子へと連鎖するということだ。 母方の家系に、離婚だなんだのごたごたが多いのは、こういうことなんだろうかと、他人事のように考えていた。