赤い月の塔を染めたる

五重の塔

そろそろ満月だったはず。 と、外に出てみたら正解だった。 空の低いところに橙色の丸い月。

五重の塔が赤いのはライトアップだが、しかしこんなふうに並んでいるのを見ると、月に染まって赤くなったように思えてくる。

そしてそう思った直後に 「だったらまず屋根が赤くなるはずだろ」 とセルフ突っ込みを入れてしまう理系の俺。

月

最大望遠で見る月。

月が地面に近いところにあると、月で反射した光が人の目に届くまでに、より長く大気中を通ることになる。 大気は、青い光をより多く散乱するため、相対的に赤い光が多く目に届くことになる。 このため、月はその位置が低いほど赤く見える。

大気中を通る距離がどのくらい違うのか、ちょっと計算してみよう。

地球を半径 6400km の球とし、その外側に均等に厚さ 10km で大気があるものとする。 地平線方向の大気の厚さは、三平方の定理から以下となる。

( ( 6400 + 10 )2 - 64002 )1/2
≒ 358km

天頂の月にとっては 10km が、地平線上の月にとっては 358km が、大気中を通る距離となるのだな。 およそ36倍。 思ったよりも差があった。 これだけ違うのだから、そりゃ赤くもなるだろう。