何年か前、カシオペアというインストバンドが、何かの番組にでていた。 自分たちの曲をテレビからよく聴くのだが、 「どの番組のどういうコーナーで使いたいのだが」 という連絡が一度もない。 その辺のところがどうなっているのか、実際にその番組関係者に訊きに行くという内容だった。
で、訊かれる側は、 「とくに何の断りもなく使っているが、そちらの宣伝にもなることだし…」 というような答えをしていたが、その表情は 「何でそんなこと訊くんだ?」 といっていた。 「宣伝してくれなくてもいいから、著作権というものを考えて欲しい」 という言葉に、曖昧な笑顔で答えていた。
今でも、映画やアニメのサウンドトラックなど、ニュースやバラエティー番組の中でよく使われているのだが、著作権に対する扱いはどうなっているのだろうか? 相変わらず無許可で、ってゆーか、そんなこと考えもせずに使っているのではないかという気がする。 実際のところはどうなのか、最近ちょっと気になっている。
夕方、髪を切りに行った。 店から出て、散歩がてら川沿いの道を歩いて帰った。 西の空には、夕焼けのオレンジ色の雲と太陽があった。 東の空には、透き通るような月が出ていた。 少しだけ欠けた月。 ウイスキーを買って帰った。
夜、ベランダの縁に座って、水割りを飲んでいた。 夕方よりも現実味を増して、月が綺麗だった。 手にしたグラスの水割りにも、月が映ってゆらめいていた。
兎に満月を見せてはいけない。 兎の魂は、満月に惹かれて体を抜け出してしまう。 兎の体は、抜け出した魂を追いかける。 魂と体とが分離して存在が希薄になっているので、檻をすり抜けてしまう。
そんな話を思い出した。 いつどこで読んだのか、あるいは人から聞いたのか、それが思い出せない。