2003 10 03

アドリブ

旧日本軍が放棄した化学兵器によって被害を受けたとして中国人が賠償を求めていた訴訟。 東京地裁の判決は、国に1億9千万円の支払いを命じるものだったが、国はこれを不服として控訴する方針。

これ、ポイントは、日本国内の裁判所に提訴したってことだな。 国際司法の場に持ち出すと、原告は負けるだろう。 と言うのも、何処の政府も、自国外で準備または使用した兵器の機密保持以外での後始末をしないから。 そのせいで何か被害があったとしても、これまでは無視するか僅かの補償で終わりだった。 ここで高額賠償という例ができると、アメリカを肇とするいろんな国が、次々と賠償請求されることになるからね。

それに、旧日本軍が放棄した化学兵器を、終戦直後の日本政府が処分できたのだろうか。 確か終戦時は、軍事施設も含めて、中国国内の全てを放棄し引き渡すことになっていたはず。 特に軍事施設については、むしろ積極的に、日本に処理させないようにしたのではないかと思う。 そこで開発されたノウハウを手に入れるために。 中国が言うように、人体実験を重ねて化学兵器を開発していたのが本当なら、尚のこと貴重なデータなのだから。

今日のニュース・ステーションで、このニュースを報じた後、久米君が一言。

相手が中国人だと、日本は控訴するんですかねぇ

思うに、こういったアドリブのコメントは、局側が大枠の方針を決めた中で、時間を考えながら言っているのだろう。 そういった場で、久米君はけっこう高い能力を持つ。 これは、その能力が悪い方に発揮された例。 酷いね。