虫展
六本木の Tokyo Midtown の端っこにある 21_21 DESIGN SIGHT でやっている 虫展 を見てきた。
デザインのお手本としての昆虫と昆虫が作り出すもの、というコンセプトで、主にゾウムシとトビケラが取り上げられていた。
前半がゾウムシ。
入り口に大きなゾウムシの足の模型。 標本。 拡大画像。 環境に応じた様々な変化の模型による展示。 正面、右、左、足元の4面を使ったプロジェクションマッピング風の動画。 ああ、これはゾウムシ以外もいたかな。 昆虫の体の特徴的な部分だけを見せる展示が、下から見ると穴から昆虫をぶら下げているだけだったのには、ちょっと笑ってしまった。
後半がトビケラ。
トビケラそのものではなく、幼虫が作る巣が展示品。 環境に応じて様々な素材を使うこと。 そのために形状も大きなバリエーションがあること。 等々。 これらのトビケラの巣をモチーフにしたアート作品もあったが、そっちは微妙だったな。
昆虫と道具を対比する展示もあった。
展覧会のサブタイトル
デザインのお手本
に直結するコーナーなのだが、しかしその展示内容は少々残念だった。
いろんな道具の横に昆虫が展示してあるのだが、展示されている道具のほとんどは、昆虫をデザインのお手本にしたものではない。 結果的に昆虫と似たものになっただけだ。 カブトムシの角が梃子の原理ってのは、カブトムシを知らないか梃子の原理が判っていないかのどちらか。 多分カブトムシを知らないのだろう。 カブトムシの角を模した栓抜きとか、ねえ。
とまあメインとなる展示には微妙なものがちらほらあったが、良いものもたくさんあった。
- 顕微鏡写真。
- 蛹から成虫になるときの体内の変化の動画。
- いろんな昆虫がジャンプする動画。
-
柱にちょこちょこ貼ってある豆知識。
芋虫は蝶になるときに性格も大胆に変わる
とか。 - 甲虫の羽を展開/格納する模型。
ハキリアリのコミュニケーションとしての鳴き声も面白かった。 ほとんどはあまり違いが感じられなかったのだが、 「この葉は不味い」 と 「この葉は美味い」 は、俺の耳にもはっきり違って聞こえた。
久し振りにケラが見れたのも良かったな。 子供の頃はよく捕まえていたのだが、東京に来てからは、捕まえるどころか見かけることすらない。 まあ、石をひっくり返したり板をめくったりして探さなきゃ見つからない虫なんだけどさ。
「ケラのどこが好きなの?」
「可愛いところ」
「えっ? これが可愛いの?」
という反応だった連れのお嬢さんが、しばらくして 「ケラが可愛く見えてきた」 となったのも、良かったことの一つ。
そうそう、トビケラの展示室では、わざわざ指向性の強いスピーカーで角度を変えながら蚊の羽音を流していた。 これがかなり鬱陶しい。 いくら虫展だからって、そんな演出はいらないだろう。 と思っていたら、出口の売店で蚊取り線香を売っていた。 それでいいのか?
隣のギャラリー3でカルティエ関連のイベントをやっていたので、ついでに見てきた。 無料だし。
加工前の原石がたくさん置いてあって、なかなか良かった。 石の名前や、加工の後の姿もあるとなお良かったのだが、石だけでもいける。
石は良かったが、人は駄目だったな。 フランスの職人らしいのが二人いて、今にも加工の実演をしそうな様子なのだが、こいつらフェイントばかりで何もしない。 展示を見ていたのは15分ぐらいだと思うが、その間にこいつらがやったのは、カットした葦の裏に糊を塗っただけ。 これだからフランス人は…。
でもカルティエ展には行ってみたい。

21_21 DESIGN SIGHT
地上階には受付と売店だけ。 展示室は全部地下にある。

トビケラの巣をモチーフにしたアート作品。 アートって何だろうね。