彼岸に落ちる花

彼岸花

彼岸花。

という名前のせいでもないだろうが、一面に咲く様を綺麗だと思う一方で、何かこう縁起の悪さみたいなものを感じてしまう。 しかしこんな風に疎らに咲く様子にも、寂しさや不安感がある。 収まりの悪さと言った方が近いかもしれない。 周りの景色から少し浮いて、どこかに誘い込まれるような感覚。 仄暗い林の中で、そんな感覚がより一層。 うっかり踏み込むと戻ってこれなくなりそうな、そんな彼岸感。

トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したとか。 このまま彼岸に行ってしまうのか。

昨日の朝だったか、NHKのニュースで、若い女の自殺が増えていることを取り上げていた。 何をどう比べたのかは聞き逃してしまったが、70%増だと。 前年同期比だろうか。 男は6%増だったかな。

専門家らしい女の解説によると、女の方がストレスに弱いのだそうだ。 その辺を考慮した対策が必要らしい。

でも確か男の方が、自殺の件数も率も高かったよな? と、気になって調べた去年の自殺の状況。

成人 13,590 5,867
少年 443 216
不詳 45 8
総数 14,078 6,091

元ネタは警察の発表で、それを厚労省がまとめたもの。 世代に関係無く、男は女の倍以上自殺している。 若い女が少年の領域であるとして、去年から70%増えたとしても、まだ男の方が多い。

同資料によると、この十年、自殺は減少傾向にある。 男女別で見ると一貫して男は女の倍以上自殺しているが、男女ともに緩やかな減少傾向。 毎年、前年比90%ぐらい。 つまり減ってはいるが、その減り方は鈍化しているということでもある。

こうした状況下で前年比70%増となったら、その変化は確かに目を引くだろう。 でもなぁ…。

取り上げられるのも、対策されるのも、だいたいいつも老人か女性なんだよな。 余力があれば若者。 おっさんは常に放置。 ただ放置ならまだいいが、若者や女性のストレス要因という悪者扱いで、対策が 「おっさんを変えること」 だったりする。 おっさんの方が遥かに多く自殺しているのに。

けどまあ、俺が政治家や専門家の立場だったら、やっぱりおっさんよりは若い女を助けるだろう。

そしてきっと、そんな発想だからおっさんは駄目なのだ。