フィリップス コレクション

ムンク展に行くつもりで上野の東京都美術館に行ったのだが、1時間待ちと聞いて挫折。 それではと向かった国立西洋美術館のルーベンス展も同様で、これまた挫折。 ということで上野から東京へ。 三菱一号美術館の フィリップス・コレクション展 を見てきた。

フィリップスはアメリカの金持ち。 親の代からの金持ち。 いわゆる坊ちゃんだ。 そんなフィリップスが、近・現代縛りで収集したのがフィリップス・コレクション。 生前の自宅が今は美術館だとか。

近・現代という縛りではあるが、この時代はいろんな方向性が一気に開花した時代でもある。 当然、コレクションも幅広い。 印象派、ナビ派、キュビズム、これらの影響を受けた近代彫刻等々、展示品も結構多くて見応えがあった。

展示は、収集した年代の順。 ちょっと珍しい構成だが面白い。 年代によって収集対象の傾向が結構変化していて、その時のフィリップスが何に傾倒していたのかがよく判るし。 そしてその変化に、ちょっと共感できたりもする。 なので 「この流れなら、次はこれかな」 という予想が、割と当たる。

そんな展示だったからか、個々の作品よりもその作品群を生み出した画家の印象として心に残る感じだった。 以下、その印象。

カミーユ・コロー

茶色の風景画。 もう全面茶色の印象。 風景画なのでもちろん空の青や木々の緑もあったりするのだが、なぜか印象に残るのは茶色ばかり。

パブロ・ピカソ

キュビズム時代の色が圧倒的。 赤が押し寄せてくる。

ジョルジュ・ブラック

キュビズム時代の作品がカッコイイ。

ピカソと比べると、グッと抑えた落ち着いた感じ。 大人のキュビズムとでも言えば良いだろうか。 何が大人なのかはよく分からないが。

パウル・クレー

謎の勢い。

ハインリヒ・カンペンドンク

色鮮やかな童話の世界。

彼は画家のサークル(?)青騎士のメンバーだったそうだ。 青騎士って名前はどうかと思うが、こういうのを平気で自称できるぐらいじゃないと、画家なんてやってられないのかもしれないな。

ジャン・シメオン・シャルダン

謎の安心感。

昔は静物画を見ても 「なんでこれを描こうと思ったんだろう」 という感想しか浮かんでこなかったが、ここ数年で見方が変わってきた気がする。

さて、フィリップスは金持ちだったが、美術品収集に使える金が無限にある訳でもなかったようで、ってそりゃ当然だが、何かを入手するためにそれまでに入手した何かを売ることも多かったようだ。 その取捨選択を、彼は後悔することは無かったんだろうか。

手元に長く置いていたものと新たに出会ったものとを比べるとき、きっと後者の方が輝いて見えたことだろう。 それは仕方がない。 しかしそれで新たに手に入れたものは、そのために捨てたものとかつて過ごしたと同じだけの時間が経った時にもまだ、選択を後悔させないだけの輝きを保っていたのだろうか。

まあ、俺がどうこう言うことじゃないんだけどさ。

美術館の窓から見る景色

美術館の窓から撮った景色。 なんだかミニチュアみたいになった。

カミーユ・コロー

写真撮影可のコーナにあったカミーユ・コローの作品の一部抜粋。

ハインリヒ・カンペンドンク

同じく、ハインリヒ・カンペンドンクの作品の一部抜粋。

美術館の階段

美術館の階段。

来る度に思うが、ここの階段には心惹かれる。 ちょっとエッシャーっぽいのもポイント高い。