2011 02 04

遠い日の

スーパーの入り口近くに、チョコレートが積み上げられている。 そう言えば、そろそろバレンタインか。 昼のパンを買うついでにチョコレートでも… なんて思いながらスーパーに入ったのに、目当てのチョコレートがその棚にあると、何となく買い辛かったりするのだな。 これがあと10日も続くのか。

「はぁ…」

「あからさまにため息か」

「上手く行かないんですよ、さっきからずっと」

「さっき、大体当りが付いたって言ってなかった?」

「そうなんですけど、そこ動かしても、デバッガだと死なないんですよ」

「実際に動かすと死ぬのに?」

「そうなんです。 もう嫌です」

「タイミングの問題なんじゃないの? ちょっと待ちを入れてみれば?」

「でも、大体この辺りってだけで、まだここって絞れてないんですよ」

「あー、なんだっけ、二階から目薬ってやつ?」

「それ、どうなんですか?」

「どうって?」

「もどかしいことの例えにしては、もどかしすぎると思いませんか?」

「そうか? それほどでもないような気がするけど」

「本当にそう思います?」

「うん。 なんか、やればできそうな気がするよ」

「じゃあ、ちょっと試してみましょう」

「は?」

「だから、二階から目薬を」

「目薬あるの?」

「目薬は持ってないので、水で」

……

「で、何で俺が下なんだ?」

「だって、できそうな気がする人ができても、感動が薄いじゃないですか」

「何を言ってるのか、意味が分からないんだけど」

「だから、きっとできないと思う私ができてこそ! ってことです」

「そんなもんか」

「いいから早く上を向いて目を開けてください! 目、細いです!」

「開けてるんだよ、これでも」

「全然駄目です。 それ、本当に目なんですか?」

「目なんだよ、 お前には信じられないかもしれないが」

「じゃあもういいです。 目は閉じて口を開けてください。 はい、あーん」

「何で俺がこんな目に… あー」

… ぽと …

「あれ? なにこれ甘い」

無駄を承知で、どんな渡され方がいいか考えてみた。 こんな、7ツン3デレぐらいの石原さとみを希望。