2001 03 04

厳密に言わなくても違う

アキレスと亀について、ゼノンが語ること。

アキレスと亀が競争する。 話を簡単にするために、アキレスは亀の10倍の速さで走ることにしよう。 で、亀に10mのハンディをやる。

さて、10mの距離をおいて、両者が同時にスタートする。 アキレスが10m、つまりスタート時に亀がいたところに来たとき、亀はそこから1m進んでいる。 アキレスがもう1m進んだとき、亀は10cmだけ進んでいる。 こうして、アキレスがある瞬間の亀の位置まで到達したとき、亀は常にアキレスが進んだ距離の10分の1進んでいる。 その差はどんどん縮まるが、アキレスは決して亀の前に出ることは無い。 アキレスは亀を追い抜けない。

ゼノンはこう言うが、現実には、アキレスはあっさり亀を追い抜く。 そこで、いったい何が問題なのか、順を追って見てみよう。

アキレスがオリンピック選手並に10mを1秒で走るとする。 足の速さが自慢のアキレスだから、そのぐらいは走るだろう。 亀が少々早すぎるのだが、それには目をつぶる。

最初に亀がいた位置までの10mをアキレスが進むのに1秒。 このとき、亀は1m先に進んでいる。

アキレスが1m進むのに0.1秒。 このとき、亀は10cm進んでいる。

アキレスが10cm進むのに0.01秒。 このとき、亀は1cm進んでいる。

0.01秒?

昨日も言った通り、人は世界を0.03秒刻みでしか認識できない。 世界は0.03秒毎のコマ送りだ。 つまり、全力で走るアキレスに対しては、0.03秒、30cmが最小単位となる。 アキレスは、連続して移動しているのではなく、30cmずつ跳び跳びで移動しているのだ。 それを見るほうが勝手に連続であると解釈しているのだな。 ゼノンの間違いはここにある。 アキレスと亀の時間を無限に細かく分割することが出来るという前提が間違いなのだ。 (嘘)

しかし、時間にも最小単位があると考えるのは、ちょっと面白いな。