聖蹟桜ヶ丘まで、花見をかねて散歩。
川沿いの桜は、白くみっしりと咲いて、風に揺れて、陽が射すとすごく綺麗。
けど、陽が陰ると、花の白もくすんだ感じになって、よくよく見ると、花びらが落ちて茶色く変色した部分もある。
ファンデーションの落ちたところに、そばかすを見つけた気分。
桜も満開まで来ると、見方を気にしなきゃいけないんだな。
あまり近寄らないこと。
昼よりはむしろ夜の方がよいこと。
昼でも夜でも照明が大事なこと。
なんて並べているうちに、頭の中に浮かんできたのが、鈴木その子。
あんな年代物の造花と比べるのは桜に悪い気もするが、その後はずっと、
桜の花の満開の下
鈴木その子の厚塗りの下
という言葉が、頭の中でぐるぐると回っていた。
京王線の車内放送。
電車の中で携帯電話をご使用になると、周りのお客様の大変迷惑になります。 電車の中での携帯電話のご使用は、控えていただくよう、ご協力をお願いします。 携帯電話が、ペースメーカーの動作に影響を及ぼす可能性があることが確認されています。 電車の中では、携帯電話のスイッチはお切りいただくよう、重ねてご協力をお願いします。
単純に 「迷惑だから止めろ」 と言うのは以前からあったけど、ペースメーカーが出てきたのが、なかなか新鮮だった。 この手の車内放送ってのは評判悪いけど、しょうがないところもあるんだよな。 いちいち言っておかないと、万一何か起きたときに、 「注意義務を果たしてない」 なんて(言いがかりとしか思えないような)訴訟を起こされたりするからね。
で、俺の前にいた高校生ぐらいの女の子が、その放送で思い出したらしい。 慌てて携帯を取り出して、どこかに電話していた。 車内放送は、思いっきり逆効果になったわけだ。 まあしかし彼女は、ペースメーカーも、それが狂うとどうなるかも知らないのだろう。 京王側もせっかく注意するなら、もっと判りやすく効果的な注意をすべきだ。 若干の誇張は俺が許す。 携帯電話を使うと、今あなたの隣にいる人が死ぬことがあります なんてどう?