2000 09 04

あたたた

そうか、湿布か。 何でそんなことに気が付かなかったんだろう。 折角だから貼ってみるか。 家に湿布なんてあったかな。 無い。 湿布どころか、風邪薬すら無い。 絆創膏があるぐらい。 隣の薬局で買って帰るか。 ん? 湿布を買ったとして、どうやって貼るんだ? 患部は背中。 痛くて手が回らん。 んー… 床において、その上で仰向けになるのはどうだろう? 薬部を上に綺麗に広げて、位置を調整しながら仰向けに転がって… 駄目っぽいな。 振り返るのが困難な今、上手く位置をあわせて転がるのは、かなり難しい。 失敗して貼りついたら、今度は剥がすのにまた巨大な苦労をしなきゃならないし。 実際、間違った所に貼りついたら、どうやって剥がしゃいいんだろう。 壁にこすりつけて剥がすか。 壁? あ、壁に貼り付けるのがいいかもしれないな。 壁の、ちょうど患部の高さ辺りに、両面テープで湿布を貼りつけておく。 そこに後ろ向きにもたれかかるようにして背中を押し付け、貼り付ける。 ドアの端から20cmとか、あらかじめおよその位置を測っておけば、後ろ向きに転がるよりもはるかに確実だ。 いや、待てよ。 30分ぐらい歩いて帰ってきたせいで、俺は今、少々汗ばんでいる。 この状態では、湿布と俺の背中との粘着力が、両面テープに負けている可能性大だ。 患部に湿布を押し付けることに成功しても、壁から離れると、湿布はそのまま壁に。 もたれて冷んやり、離れてがっかり。 ちゃんと湿布しようと思ったら、壁にもたれて立ちっ放し。 これは辛い。 はぁ…そもそもの問題は、貼ってあげようと言ってくれる人が、そばにいないことなんだよな。 何とかならないものか。 どうせなら、巨乳のお姉さんに何とかして欲しいもんだな。 「はい、あっち向いて」 って言うんじゃなくて、正面から背中に手を回してもらって、 「ここ?」 なんて。 そんな近くで見つめられたら、 「もうどこでもいいです」 なんて言っちゃいそう。 それで、いい匂いなんかして。 下を見ると谷間がむぎゅってなってたりして。 あー、なんだかすっごく楽しそう。 ドキがむねむねって、きっとこんな感じなんだろうな。 だれかむねむねさせてくれ。