2006 10 04

遺書7通

遺書を7通も書いて自殺した子供がいるんだそうだ。 遺書には、イジメを苦に自殺したようなことが書いてあるらしい。 学校や教育委員会が、この遺書(のイジメの告発)を無かったことにしようとしているとかいろいろ言われているが、それは俺にとってはどうでもいいこと。

気になるのは、遺書の扱われ方。 自殺すること自体には、一応 「死んではいけません」 なんてコメントがつくんだけど、死んだ人の言い分については、何の否定も無いんだよね。 遺書に 「イジメを苦に…」 なんてあったら、もう問答無用でイジメ確定。 学校側が 「イジメは無かった」 なんて言おうものなら、それがどんなにまともな調査の結果であれ、醜悪で厚顔無恥な保身という扱い。 いやまあ、学校にまともな調査ができるとは、俺だって思ってないけどさ。

そうした空気に否定的になるのは、一つには、遺書の正当性に疑問を感じるから。 「死を決意した人が最後に残した言葉だから」 と言うと、何となく遺書にも正当性があるような気がするけど、 「殺意の向かうところが違うだけで、結局は人殺し」 とも言えるわけだからね。 そんな精神状態で書いたものだってことは、頭に入れておくべきだろう。 そこまで追い込まれたことを、可哀相だとは思うけどさ。

もう一つには、遺書を絶対に正しいものだと扱うことが、自殺を考えている人に対して、自殺が告発の有効な手段だというメッセージになってしまうのではないかと思うから。 ドラマの役柄とその役者本人の性格の区別がつかない人もいる中で、ニュースという体裁でそんなことをするのは、やっぱりまずいだろうと思うのだ。 本当に少しでも自殺を減らしたいと思うなら、 自殺はある種のテロ ぐらいのことを言え。 遺書は犯行声明 と言え。