友人に連れられて神楽坂に行ってきた。 神楽坂は初めてだが、なかなかいい雰囲気の街だった。 それなりに賑わっていて、しかしどこか落ち着いた雰囲気もあって。 連休さなかのちょっと早い時間だったのも良かったのだろう。
居酒屋で軽く飲んだ後、小さなバーで飲み直し。 10人も入れば満員の本当に小さなバー。 カウンターの中には白いスーツに蝶ネクタイの爺さん。 BGMの長唄とBGVのモノクロ邦画は、この爺さんの趣味だろうか。 洋酒のボトルがずらりと並ぶ景色に、意外に馴染んでいた。
とまあ、店はいい雰囲気だったのだが、ちょっと気になったのはマスターの爺さん。 微妙に嫌味なのだ。 例えば、 「お勧めは何ですか?」 と訊く友人に、 「お勧めと言われても、人それぞれ好みがありますからね。 甘口とか辛口とか。 その時その人が何を飲みたいかも違うでしょうし。 だからいきなりお勧めと言われても…」 なんて感じで。 もちろん、その後に 「どんなのが好みですか」 と続くし、その間笑顔を絶やさないのだが。
友人がどう取ったかは判らない。 全く気にしなかったのか、気にはなったけど流したのか、逆にこれぞプロだと賞賛したのか。 けど、俺に言わせりゃ、 「甘口と辛口とではどっちが好きですか?」 から始めればいい話。 前置きの背後に 「これだから素人は」 なんてのを感じてしまって、あまりいい気はしなかった。
けどまあ、これって自分の姿でもあるんだよなぁ。 「そんな大雑把に訊かれても答えられませんよ。 的を射た答えがほしいなら、的をきちんと示してください。 今の質問は、運用に関してですか? システムの内部処理についてですか?」 なんて、仕事でたまに言っている俺。 ま、言うときはたいてい嫌味を意図してのことなんだけど。 だからこそ、ああした態度に反発するんだけど。