2009 08 06

溝鼠

高幡不動駅から若宮通りに入る辺りで、鼠を見た。 ラーメン屋横の自動販売機から交番の方に向けて走り抜けたそいつは、たぶんドブネズミだ。 尻尾まで含めると30cmぐらい。 けっこうでかい。 精悍さは感じるが可愛気は無い。

ドブネズミって、漢字だと 「溝鼠」 と書くんだね。 Macに入ってる国語辞典によると、

代表的な家ネズミで、下水溝などにすむ。 クマネズミより大きく、気も荒い。 中央アジアの原産であるが、18世紀ごろからヨーロッパを経て全世界に広がり、先に世界中に分布していたクマネズミを圧迫。 白変種のシロネズミは動物実験に用いられる。

とあった。 確かに、鼠の中では強そうだったな。 日本にも、やっぱりヨーロッパから船でやってきたのだろうか。

まあ、だからどうってことも無いのだが、その日ちょうどグレーのスーツを着ていたので、 「ああ、これが溝鼠色か、なるほど」 と、変なところで納得したのだった。

溝鼠色。 最近はほとんど聞かなくなったけど、かつては仕事に疲れているサラリーマン指して 「溝鼠色」 なんて言ってたんだよな。 当時流行っていた(?)グレーのスーツから。 単に 「鼠色」 でいいものを、わざわざ 「溝鼠色」 と表現するところに、ちょっと感心したんだっけ。 なるほど、レッテルってのはこうやって貼付けるのか、なんて。 大事なのは軽い軽蔑感。 この軽蔑感が消費行動につながるのだな。 「脱!溝鼠。 ちょい悪おやじのモテスーツ」 みたいな。 いや、まあ、今更ちょい悪おやじもないけどさ。

そんなことを思い出してる中で、ついでに気になったことを国語辞典で調べてみた。 レッテルとは、オランダ語で製品ラベルや商標ラベルを意味するのだそうだ。