2013 01 07

姿勢

パソコン関係の情報に囲まれる仕事なせいか、この方面のニュースを目にした時は必ずと言っていい程に微妙な違和感を感じるんだよね。 今更何を? というレベルのことが囲みで解説されていたりするのも、ちょっと微妙な感じ。 ま、他の分野じゃその道の専門家から同じことを逆に思われてるんだろうけどさ。

そんな微妙な記事。 読売新聞から。

サイバー攻撃を受け、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡る機密文書などが流出した疑いのある農林水産省が、「流出の痕跡が確認できない」と説明していることが疑問視されている。

今回の攻撃では、省内のパソコンが遠隔操作され、データ圧縮などの不正操作が行われている。 同様の被害があった他の役所や団体は「流出の痕跡」として公表しており、専門家からは「この状況で漏えいを想定しないのは甘すぎる」との声が上がっている。

今回の攻撃では、農水省の公用パソコンが遠隔操作された。 「TPP」などのキーワードで検索が行われたとみられ、TPPに関わる機密ファイルが1か所に集められていた。 集められたファイルは外部に転送しやすいよう「RAR形式」と呼ばれる方法でデータを圧縮。 農水省が被害に気付いた時には、攻撃者によって大半の圧縮ファイルが削除されていたという。

検索手段については触れないまま、圧縮形式をわざわざ説明するのは何故だろう。 記者に理解できたのがそこだけだから?

ま、それはそれとして、どんな情報が流出したかと同じぐらい、どこに流出したのかも重要だろうに、そっち方面については元日の初出記事で 「韓国経由」 と一言触れたのみ。 その後は流出先については全く書かないんだよな。

そんな報道姿勢の新聞が、流出を認めないと農水省の姿勢を批判するのはどうなんだ? って、例えば 「人を殺しちゃ駄目」 ってのは人殺しが言おうが警察が言おうが正しい言葉で、むしろ実際に殺したことがあるからこそその言葉に重みがあるとも言えるんだよな。 新聞も、その報道対象と目糞鼻糞の関係だったとしても、鼻糞を指摘する意味は目の清濁には関係無いし、どんどん指摘すればいいんだけどさ。

ついでにもう一つ。 時事通信から。

6日午後2時半ごろ、埼玉県三郷市彦倉のメゾネット式のアパートを訪れた親族から「母親と子ども2人が首をつっている」と119番があった。 消防隊員らが駆け付けたところ、この家に住む女性(35)が2階の寝室で、小学校低学年の男児(8)と未就学の女児(6)が1階の居間で死亡していた。 親族によると、3人は首をつった状態だったという。 近くにはそれぞれひものようなものもあったといい、県警吉川署は女性が無理心中を図ったとみて調べている。

無理心中って、実際には殺人の後の自殺なのだが、それでも表記は 「この家に住む女」 じゃなくて 「この家に住む女性」 なんだね。

そう言えば、表記についてはこんなルールがあるのだそうだ。

容疑者
逮捕された場合。
被告
起訴され裁判になった場合。
男/女
逮捕されないが書類送検された場合。

「男性/女性」 と 「男/女」 の使い分けの基準も知りたいものだな。