2002 02 07

クワカブト

高橋名人の秒間16連射はインチキだったとずっと思っていたのだが、インチキだと言うのがインチキだったらしい。 他にもいろいろ、根は無いのに葉だけ茂った噂を、本当だと思い込んでいるのかもしれないな。

そう言えば、子供の頃に住んでいた防府市の端っこでは、クワカブト伝説があったんだった。 クワガタとカブトムシのキマイラでクワカブト。

隣町の中学生(高校生だったかも)が、クワガタとカブトムシを交尾させようとしたのだが、雄雌いろいろ組み合わせてもうまく交尾しない。 仕方が無いから、雌の産んだ卵に雄から取り出した精子をかけた。 卵が孵って、そのほとんどは幼虫のうちに死んだが、1匹だけ成虫になった。 その成虫には、クワガタの顎とカブトムシの角が生えていた。 クワカブトは、その顎と角で、とにかく強かった。

というのがクワカブト伝説。 「クワカブトは強い」 ってのが、ガキっぽくていいな。 「友達の友達が見たんだって」 なんて言う奴がいて、そのうち 「ヘラクレスオオカブトとノコギリクワガタのクワカブトを作った人がいるらしい」 なんて話も出たりして。 そんな話に、俺は、半信半疑ながらも密かに対抗意識を燃やしたものだった。 「だったら俺もクワカブトを作ってやろうじゃないか」 なんて。 で、クワガタもカブトムシもいっぱい捕まえてきたのだが、卵を産む前にみんな死んでしまった。

キマイラといえば、夢枕獏のキマイラシリーズはどうなってるんだろう。 早く龍王院弘を出せ。

注)
ヘラクレスオオカブトは外国のカブトムシで、俺たちの中では、これが世界最強のカブトムシという評判だった。 また、俺たちの近所ではノコギリクワガタが珍しく、誰も捕まえたことが無くて、つまり最も価値の高いクワガタだった。 この組み合わせは、喩えるならプラチナとダイヤ、か?