静岡県で打ち上げられていた鯨は、結局、救助活動の甲斐もなく死んでしまった。
鯨(海豚も)が海岸に打ち上げられることは、割とよくある。 何らかの原因で弱って、文字通り打ち上げられる場合と、自分から海岸目指して上がってくる場合。
鯨は、かなりの規模の回遊を行っていて、その進路決定には地磁気を利用しているらしい。 そのための磁気センサーが、太陽活動や海底ケーブル等の人工物で影響を受けて、進路を間違ってしまうという説。
歯鯨(マッコウクジラもこれ)は、潜水艦のように、水中に高周波の音を発し、その反響で周囲の地形や餌の有無を把握する。 遠浅の砂浜では、発した音波が返ってきにくいため、鯨はそこに何も無いと判断して突き進んでしまうという説。
鯨には、耳の中につく寄生虫がいる。 これが、耳の器官を破壊して音の判断を狂わせるとか、耳から更に脳にまで侵入して、諸々の判断を狂わせるという説。
シャチに襲われたとか、爆発音とか、何らかの原因でパニックに陥って暴走した結果、海岸に上がってしまうという説。
個体数調整のために自殺するという説。 増えすぎたためのストレスとも考えられるか。
自分から海岸に上がってくる理由としては、大体こんなところだが、実はこれと言った決定版が無い。 どれもが、ある場合にしかうまく説明できなくて、結局のところは、ケースバイケースなんだろう。
さて、死んでしまった鯨をどうするか?
諸外国の目を気にして焼却処分というのも馬鹿らしいが、じゃあ食えばいいかというと、これがまた問題ありだ。 というのも、鯨の肉には、いわゆる汚染物質がかなり濃縮蓄積されている疑いがあるから。 特に歯鯨は。 去年の後半に、髭鯨と歯鯨の肉に含まれる化学物質の濃度を調査した結果を見たことがある。 どこがやった調査かも鯨の種類も忘れてしまったが。 そのときの結果では、普通に食べる量ならたぶん問題無いが、濃度としてはかなり高いという結果だった。 歯鯨のほうが、より濃度が高かったはず。 そりゃまあ当然の結果なんだけど。 と言うことで、今回の鯨も、食うなら、食っても問題無いかどうかの確認をしてから、だな。
ああ、それと、 「鯨が可哀相だから」 という理由で、きちんと食べてあげる(命のリレー?)とか、葬式を出してあげるってのは、くだらないと思うよ。 鯨は、葬式はもちろんのこと、食われることで自分の命を繋ぎたいとも、思わないだろうからさ。 強いて鯨のためを言うなら、解剖なり何なりで徹底的に原因を調査究明して、同じように打ち上げられる鯨が出ないようにすることだろう。
だそうだ。 まあ、マッコウクジラの体を起こすのは、ちょっと無理だけどね。
昨日今日と休んだおかげで、だいぶ良くなってきた。 明けない夜は無い。 しかし、誰もが夜明けを迎えられるわけではない。 せいぜい気をつけろ、俺。