旅と郷愁の風景

桜が満開。 花見も兼ねて近所を散歩しようと出かけたのだが、途中で気が変わって八王子市夢美術館へ。 現在 川瀬巴水 旅と郷愁の風景 を開催中。 川瀬巴水は、今、俺の中でちょっとしたブームなのだ。

明治から昭和初期の版画とか、浮世絵の後継とか、そんなテーマの展覧会で吉田博とセットで扱われている感がある川瀬巴水。 単独の展覧会を見るのは初めてかもしれない。

で、八王子市夢美術館。 いつものようにゆっくり見れるだろうと安心してたのだが、行ってみれば、いつもからは想像できない人の入りだった。 開催直後の日曜だからだろうか。 世の中でもちょっとしたブームだったりするのかな。

展示は、川瀬巴水の版画人生をそのまま辿った形。 旅みやげ などのシリーズ(?)は全て網羅されている。 流石に全作品とはいかないが。

こうして初期から晩年までを通して見ると、成長が見れて面白い。 初期の作品にあった荒さや緩さが、だんだん削ぎ落とされて緻密になっていくからね。 川瀬巴水の絵だけじゃなくて、版元の渡邊正三郎の下にいた彫り師や刷り師の成長もあってのことだろうが。

そうそう、夜空に浮かぶ星の表現も変化してたな。 初期はシャープな五芒星、子供が描いたような星形だったのが、後年は少し柔らかい光になっていた。 まあこれは技術や表現力の向上ではなくて、視力の低下によるものかもしれないが。 見たものをそのまま描いているのは同じだが、若い頃とは見え方が違っていたのかも。

大体良い感じなのだが、はっきり駄目なものが二つ。

一つは水辺の葦。 幾つかの作品で出てきていたが、そのどれもが、学芸会の小道具レベルの雑さ。 段ボールに雑に絵を描いて置いときましたって風情。

もう一つは虹。 色ではなく線の太さと密度でグラデーションを実現しようとしたのだと思うが、あれは失敗だろう。 まあ、挑戦する姿勢は評価するが。

以下、今日見た中で特に印象に残っているもの。 いっぱいある。

折角だから近所の桜も。

桜の1

線路沿いの桜。 満開。

桜の2

高幡不動の桜。

桜の3

高幡不動の桜をもう一つ。 これは日野市の標準木。

毎年、同じ写真を撮っている気がする。