2000 01 08

飽食の国だから

その1

「貧しくて食べられない人もいるんだから、残さずちゃんと食べなさい。 なんて言うじゃん?」

「言うね」

「ありゃどーゆー理屈?」

「どうって?」

「貧しくて食えない人がいるのと、自分が残さず食うことと、何の関係も無いだろ?」

「あー、まあ言われてみりゃそうかもね」

「それで思ったんだけどさぁ」

「なに?」

「あの台詞を、本当に貧しくて食えない人の前で言うってのは、どうなんだろうね」

「んー」

「貧しくて食えない人はさぁ、残さず食えなんていわないよな」

「まあ、たくさん残して、俺にくれって言うだろうね」

その2

「ドラエモンのどこでもドアのすげーいい使い方を思いついたんだよ」

「またくだらないことだろ」

「いや、くだるって。 しかも皆が満足するんだな、これが」

「なに?」

「この昼飯の残りってさぁ、このまま流れてゴミ箱行きだろ?」

「だろうね」

「だから、このベルトコンベアを、どこでもドアで、どっかの難民キャンプにつなぐのさ」

「なんだよそれ」

「残飯処理が食糧支援を兼ねるんだよ。 いい感じだろ?」

「そうかぁ?」

「俺たちいつも半分ぐらい残してるじゃんか。 きっと喜ばれるぞ」

「そうかなぁ」

名を取るか実を取るかってやつね。