溜め息マシンガン
親知らずを抜くつもりで歯医者に行ったのだが、まだ少し腫れが残っているようで、抜くのはこの次だと言われた。 早く終わらせてしまいたいが、延期でほっとしてもいる。 一昨日ぐらいからもう溜め息ばかりだったのだ。 昨日は、仕事中に人から指摘されてしまった。
「また溜め息ですか。 どんだけ歯医者が嫌いなんですか」
「でも、歯茎を切開して、骨からはがして、骨を削って、それで抜くんだよ? 憂鬱にもなるだろ」
「気持ちは判りますけど、いつかは通らなきゃいけない道じゃないですか」
「そりゃそうなんだけど… いや、死ねば行かなくて済むじゃん。 死にたい。 死んで、歯の奇麗な美人に生まれ変わりたい」
「あははは、でも魂とか記憶とか受け継いだら、それも厳しくないですか? 男が寄ってくるんですよ?」
「男なんて財布だよ」
「うわ、また駄目発言。 でもちょっとかっこいい。 歯医者が嫌で溜め息ばかりの人の台詞とは思えないですね」
しかし現実は厳しい。 執行は月曜日。