駅を出た人々が少しだけ背中を丸めて歩く中、無理矢理に背筋を伸ばして星を見上げると、自分の吐いた息に眼鏡が曇って、星はたちまち霞んでしまった。 それならばと眼鏡を外すと、星はもっとぼやけてしまった。 俺の目は、曇った眼鏡にすら及ばないのだな。 「おこと教室」 を 「おとこ教室」 と読んでしまうのも、 「ちんすこう」 を 「ちんこすう」 と読んでしまうのも、この目のせいなのだな。
さて、ちんこすう。 断言調に 「すう!」 だったり、疑問形に 「すう?」 だったり、間違えるのも色々なのだが、どう間違うかにそのときの心理状態が現れるのだとすれば、読み間違いもなかなか奥が深い。 ところで、ちんこすう。 日本人の男の半分以上、数にしておよそ4千万人は、自分のものを自分で吸えないか試した過去を持っている。 やってみようとして、出来なくて、 「出来ないのは、小さいからじゃなくて、体が硬いからだ」 とか 「自分でやったって、ちっともよくないさ」 などと、言い訳をするのである。 そして、そのような男たちは、自らの言い訳に一貫性を持たせるように振舞いだす。 即ち、とにかくしてもらいたがったり、大きいだ凄いだと言わせようとするのである。