ふと思い立って、清澄庭園に行ってきた。 大江戸線の清澄白河駅を降りてすぐのところに入り口があって、交通の便がいい。 中は程好い広さで、散歩にちょうどいい。 入場料が安い。 と、なかなか良い感じの所なのだ。 欠点は、家からだとちょっと遠いってぐらい。
初夏に来ると緑一色だな。 紅葉の頃だと、もっといろんな色があるんだろう。
ここの池には、やたらたくさんの亀がいる。 けっこうな客が鯉と兼用の餌をやるせいで、人の姿を見ると鯉と一緒に亀も寄ってきて、なんだか期待に満ちた目でこっちを見るのだった。
スッポン。 顔だけ見ると、同じ亀の仲間とは思えないな。 いや、顔だけじゃなくて名前もか。 石亀、草亀、緑亀、赤耳亀、蛇首亀、ほとんどが 「見た目の特徴+亀」 という構成なのに、こいつだけはスッポン。 何だよ、スッポンって。 擬音か?
池の奥に菖蒲園は、今がちょうど盛り。
園内を一周して帰ろうかと思ったら、おばちゃん(おばあちゃん?)の集団に捕まった。
「ちょっとすいません、あの向こうの小屋? に行きたいんだけど、どっちを回ったら近いですか?」
「あそこ、予約しないと入れないですけど、予約してますか?」
「大丈夫!予約してるから!」
「そうですか。 まあどっちを行っても大した違いは無いけど、こっちの方が道が歩き易いと思いますよ」
おばちゃん、振り返って全力でシャウト。
「こっちだってーっ!」
すると、後続のおばちゃん達も次々にシャウト。
「こっちだってー」
「こっちだってー」
「こっちだってー」
更に
「菖蒲が見頃って聞いたんですけど、菖蒲はどこにあるんですか?」
「あの建物の向こうですよ。 行けば判ります」
「あ、じゃあ、菖蒲もこっち側を行けばいいんですか?」
「そうですね」
そして再びシャウト
「菖蒲もこっちだってーっ!」
輪シャウト
「菖蒲もこっちだってー」
「菖蒲もこっちだってー」
「菖蒲もこっちだってー」
うるさい。 お前ら BookOff か。
隣の公園の時計塔。 見た目は烏賊っぽい。
公園の裏の水路沿いに確か俳句の細道なんてのがあって、芭蕉の句が書かれた石が並んでいる。 その道の終点で座っているのが、この芭蕉。
せっかく芭蕉なんだから、後ろの家ももっと当時の風情を感じられるものにすれば良さそうなものだが、壁だけ補修した市営住宅という感じなんだよな。 しかもハリボテ。 俳句の道から来ると、雑な作りの裏に雑草が伸び放題なのが丸見えで、いろいろ台無しになっている。
あ、逆か。 こっちが入り口なのか。 それで、とりあえず正面だけ取り繕ってみたってことなのか。
法乗院深川ゑんま堂の閻魔大王。 正直言うと安っぽい。 有難味は無いな。
帰りは門前仲町まで歩いて、そこから大江戸線に乗った。 門前仲町って、これまで地下鉄の乗り換えでしか使ったことが無いんだよな。 駅の構内が乗り換え客で溢れているせいで、門前仲町もやたら人が沢山いるイメージだったけど、駅の外はそうでもないんだね。 オフィス街の谷間で、むしろちょっと寂れている感じだった。 平日だとまた違うのかな。