1999 07 10

どれもだいたいそんなもの

夜になってぱらぱらと雨が降り、一気に涼しくなった。 折角の涼しさなので少しだけ窓を開けていたら、予想外に強い雨が隙間から降り込んで、窓の辺りがびしょびしょになってしまった。 まあいいや。

昼は晴れていたので、久しぶりに布団を干して、散歩に出掛けた。

今更ながら野村沙千代(で字はあっているのかな)。 今じゃすっかりサッチー叩きになっているが、最初の頃は一応サッチー対ミッチーという図式だった。 会社に行く時間が遅いとき、俺も朝のワイドショーでそれを見るのだよ。 「○○さんはこう言ってますが、何かおっしゃりたいことはありますか?」 とか、 「サッチー派とミッチー派のどちらでしょうか?」 とか、そんなことを嬉しそうに質問している姿をね。

で、見るたびに思うことなんだけど、質問される側の人には、

「サッチー派とミッチー派のどちらでしょうか?」

「あなたはどっちですか?」

「え? 私は中立ですけど」

「テレビ局としては中立でしょう。 個人的にはどっちですか?」

「個人的には、まあ、ミッチーですが…」

「私もあなたと同じです」

「じゃあ、ミッチー派と言うことですね?」

「だから、あなたと同じですよ」

「では、サッチーさんの何処が問題だと思いますか?」

「あなたは、どう思いますか?」

(以下同様に繰り返し)

なんて感じでやって欲しい。 自分の口でサッチー(或いはミッチー)派ですと言うと、編集でそこだけ流されるだろうから、そういったことは全部レポーターの口から言わせて、自分は 「あなたと同じ(或いは反対)です」 としか言わないのだ。 中立公正ぶって煽ろうとするワイドショーに対しては、けっこういい嫌がらせになると思うんだけどなぁ。 って、質問される人には嫌がらせをする理由はないか。 俺が、あーゆーのが気に入らないってだけだもんな。

そんなことを考えながら、ぶらぶら河原を散歩していた。 ふと顔を上げると、いつの間にか広がっていた低い雲の隙間から光が射し込んでいて、それがまるで雲の上に続く坂道みたいで、とても綺麗だった。

雲の下にも微小な水滴や塵が沢山あって、それが光を反射するので、射し込んだ光の道が見える。 つまり、空気が適度に汚れているからこそ、綺麗な光の道が見えるのだ。 汚れによって成り立つ美しさって、なんだか皮肉でいい感じ。