2006 08 10

ドライアイス

組んだ手を裏返して、思いっきり上に伸ばす。 肩や肘がピキパキ鳴るのがちょっと情けないけど、それ以上に気持ち良い。 更に反り返って、右を向いて、左を向いて、また上に伸びて、その姿勢をキープ。 ついでに思いっきり欠伸なんかしてしまう。 ちょっぴり涙目。

「渡邊さん、なんかもう全然やる気無しって感じですね」

「んー、どうかな」

「どうかなって、その体勢で言っても」

「これは、あれ、えーっと、やる気玉?」

「何ですか、それ」

「みんなのやる気をオラに分けてくれ!ってやつ」

「やる気でしたっけ?」

「元気だっけ?」

「たぶん」

「まあ、似たようなもんだよ。 実際、どっちも無いし、誰も分けてくれないし」

「集まりませんか」

「集まらないね。 もう帰ろうかな」

「でたよ」

「実際にやる気玉ができたとしてさぁ、分けるほうに回ったら厳しいよね」

「やる気盗られちゃうから?」

「うん。 ちょっと分けてもらうって言うけど、もともとちょっとしか無いじゃん」

「あ、それは俺もやばいかも」

「だろ? 気をつけないと」

「そうですね」

そんな午後2時。 目が疲れたのはドライアイだから? なんて考えてて、今更だけど気が付いた。 ドライアイスって、解けても濡れないからドライアイスっていうんだね。