仕事帰りに見上げた空に虹。 中学生ぐらいの女の子二人組と、仕事帰りのサラリーマン風が、俺と同じように虹を写真に撮っていた。
虹の色は、太陽と空気中の水滴と観測者の位置で決まる。 太陽がこの位置だから、水滴がこの位置にあると、水滴内部で反射分光したこの波長の光がここに来るという具合に。
逆に言うと、違う場所に立って同じ虹を見ていると思っていても、それらの人それぞれにとって虹の同じ色だと思っている部分は、全部違う水滴で作り出されているのだ。 もっと厳密に言うと、俺が見ている虹と俺が写真に撮っている虹の水滴も違うもの。
そう考えると、なんかちょっと凄い。 何がどう凄いのかはよく判らないけど。