木下千春

久し振りに信濃町駅に行った。 前に行ったのがいつだったか、もう思い出せないぐらい遠い昔。 俺の記憶の中の信濃町駅には、あんな綺麗な駅ビルは無かったような…。

信濃町駅から線路沿いに5分ぐらい歩いたところに佐藤美術館がある。 小さなオフィスビル風の佇まいで、美術館には見えない。 看板もポスターも控えめ。 もっと目立っても良いと思うが、何かポリシーがあるのかもしれない。 館内にあった説明によると、若手画家の育成に力を入れているのだそうだ。

そんな佐藤美術館で、 木下千春日本画展 〜はじまりの夜、幻想の羽衣〜 を見てきた。

俺はこれまで木下千春という画家を知らなかった。 この展覧会に行こうと思ったのも、どこかで見た展覧会のパンフレットが良い感じだったからで、名前から辿ったものではない。 でも、これからはちょっと注目しておこうと思ったね。 なかなか良かった。

展示のメインは水の底。

深海や沼のような静かに揺れる水と、その中で蠢く蟹や蛸。 漂う海月。 ゆったりと泳ぐ大きな魚。 群れをなす小魚。 姿形は写実的だが色使いは現実からは遠く淡く、それらに墨流しのような紋様が重なって、幻想的な雰囲気を作り出していた。

ほぼ全作品が写真撮影可なのも良かった。 たいていの美術館だと、作品がガラスの向こうなので写り込みが邪魔なのだが、ここはほぼ全作品が剥き出しで、写真はとても撮り易い。 作品保護の観点からは、そんな管理でいいのか疑問ではあるが。

たくさん撮った中から一枚載せておく。 百聞は一見に如かず。

白花乃鯰

白花乃鯰

勿論これはこれで良いのだが、アニメーションも見たい。 じんわり動く墨流し的な紋様。 微かな風に揺れる枝。 ポトリと落ちる花。 水音に反応する鯰。 そんな感じのアニメーションを。

肉食獣

美術館の近所の公園の、これらは遊具だろうか。 微妙にデフォルメされた肉食獣から、子供向けとは思えない殺気を感じるのだが。

象

同じ公園内の象。 手足と鼻先を失った姿が、ちょっと衝撃的。 誰かの悪戯だろう目のペイントが、この姿のせいで血の涙に見える。

慶應義塾大学病院

慶應義塾大学病院。

この手の謎構造物って、病院には珍しいよな。