粉飾決算で上場取り消しが近いとされるライブドア。 当然のように、落ちるところまで落ちた株価。 で、そんな株を買っていた人たちおよそ1000人が、被害者の会を結成したんだそうだ。 自己申告による損害総額は50億円以上。 「ライブドア側には、和解による早期解決を呼びかけるが、最終的には損害賠償訴訟も視野に入れて活動していく」 とのこと。
まずは和解交渉、駄目なら損害賠償訴訟ってのは、訴訟の方が取れる金が少なくなってしまうと考えるからだろうか。 粉飾決算がばれたことによる株価下落は、確かにそのトリガーは問題だけど、正直な経営をしていても、業績不振に陥って株価が下がらないとは言えない訳だから、裁判所が認定する 「被害」 ってのはかなり小さなものになりそうだよな。
この手のニュースを見ると、 「自己責任で株を買っているのに、損害賠償なんて厚かましい」 なんてことを言う人がいるが、それはそれでどうかと思う。
上場企業というのは、市場で公正に株取引できる基準を満たしているという前提にある。 そこでの株売買の中で損をすることはもちろん有るんだけど、それが粉飾決算がばれることによるなんて、想定外でいいのだ。 粉飾決算を見抜くのは監査の役目であって、株主の責任ではない。 責められるべきは、粉飾の主体たるライブドアはもちろんだが、その粉飾を見抜けなかった監査なのだ。
もちろん、自己責任なんて言っている人たちだって、そんなことは判っているだろう。 それでも言ってしまうのは、そんな人たちにとって、株が、手の届かない葡萄だったからではないか。 あれは酸っぱいのだと自分に言い聞かせてきた葡萄。 それが本当に酸っぱかった。 ざまあ見ろ。 そんな後ろ暗い喜びを、上っ面には漏らさぬように抑えてるから、 「自己責任で…」 なんて言うんじゃないのかね。
ま、そんな風に思うのは、俺がそんな風な奴だからなんだけど。 で、ライブドアグループに損害賠償を求める人たちだが、素朴な疑問で訊いてみたいのは、 「もしライブドア関連株で儲かったとして、それが粉飾決算によるものだと判ったら、その儲けをどうするのか?」 ってこと。 きちんと誰かに返すのか。 やっぱり知らん顔なのか。