2003 06 12

金を手にする道の険しきこと

浜松町出張は先月で終わり。 で、しばらくゆっくりできるかと思っていたのだが、なかなかそう上手くはいかないもので、今週から西新宿に出張している。 派遣で来た人が、たった一日で(それも何の連絡も無く)会社に来なくなって、急遽代役で俺。 派遣会社に問い合わせたところによると、胃にポリープができたので入院しているのだそうだ。 ちょっと嘘臭いんだけど。

出張続きだと、財布の中身がかなりのスピードで減っていく。 金を下ろしたいのだが、家を出るのも帰ってくるのも取扱い時間外で、近所のATMは使えない。 ならば昼休みにでもと思うが、今一つ勝手のわからない土地で、どこに銀行があるか判らない。 こんなときは受付のお姉さんにきくのだ。 受付のお姉さんは、今時珍しい黒髪が綺麗なのだ。

「この近所に銀行はありますか?」

「はい、リソナ銀行がありますよ。 えーと、三井ビルって判ります?」

「それが、この辺りをほとんど知らないんですよ」

「そうですかぁ…、この地図だとここなんですけどぉ…」

「いつも、西新宿駅から来てますが」

「じゃあ、ここをこう通ってますよね?」

「いや、こっち」

「えっ! そっちだと遠回りですよ! こっちの方が近いのに」

「はぁ…」

「ここにセブンイレブンがあるでしょ? その前を曲がると近道なんです」

「なるほど」

「それで、その前の道のここに陸橋があるんですけど、憶えてます?」

「左側ですよね。 陸橋…あったような気がします」

「その前のビルが、リソナ銀行ですよ」

「はい、だいたい判りました。 明日行ってみます」

「あの、私、説明下手ですよね? 上手く説明できなくてすみません」

「いや、そんなこと無いですよ。 本当にだいたい見当ついたし」

「本当ですか? よかった。 あ、これ、地図。 どうぞ」

「どうもありがとう。 ここですね」

「はい、あの、頑張ってください! 無事に行けたら教えてくださいね」

受付のお姉さん、落ち着いているように見えたが、意外と慌て者なのかもしれない。 面白いけど。 それにしても 「頑張れ」 とか 「無事に行けたら」 とか、いったいリソナ銀行への道に何があると言うのか。