読売新聞から。
大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件で殺人罪などに問われた高見素直被告(43)の裁判員裁判の第12回公判が12日、大阪地裁(和田真裁判長)であった。
「死刑の違憲性」 に関する審理が続き、元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(76)が弁護側証人として出廷し、検事時代に死刑執行に立ち会った経験から 「絞首刑は限りなく残虐な刑罰に近い」 と述べた。 元検事が非公開の死刑執行の実態を法廷で証言するのは異例で、死刑制度を巡る論議に影響を与える可能性もある。
証言によると、土本氏が死刑執行に立ち会ったのは東京高検検事を務めていた時で、弁護側の尋問に対し、 「ガタン、と(死刑囚を支える)踏み板が外れる音がした。 正視にたえない。 惨めで悲しい状況だった」 と説明した。
また、自身が捜査した元死刑囚と文通していたことを明かしたうえで、反省や後悔をつづった手紙を受け取って死刑に疑問を感じ、 「当時の上司に『恩赦で執行を止められないか』と相談したが、(死刑を)求刑した検察がそうするのは筋が通らないと言われた」 と証言した。
死刑が憲法違反かどうかについては、〈1〉死刑囚の苦痛や身体の損傷の程度〈2〉一般人の感覚でむごたらしいか――を判断基準にして考えるべきだと述べた。
今回の裁判で弁護側は、 「絞首刑は残虐な刑罰を禁じる憲法に違反している」 と主張。 和田裁判長は、死刑の違憲性は裁判官だけで判断し、裁判員の参加は自由と決定しており、この日午前の審理には、裁判員6人中1人が欠席した。
死刑について言うなら、非公開ってのが駄目なんだよな。
せっかく死刑にするのだから、これをもって他の犯罪の抑止に役立てないと勿体無いだろう。 その意味では、最後に泣き叫んで許しを請うようなやり方が有効で、眠るように安らかに死なれたんじゃ駄目なのだ。 まあ、だからと言って今の時代に 「市中引き廻しの上打首獄門。 その後1ヶ月晒し首」 なんて無理なんだろうけど。
たいていの死刑囚は人を殺して死刑になるだろうから、自分がやったと同じ方法で殺されることにすれば良いんじゃないかな。 そうすれば、この検事も因果応報と割り切れて、意味不明の惨めさを感じなくて済んだんじゃないかと思う。 あと、死刑を廃止する代わりに、遺族に仇討ちを許可する制度にするのもいいかも。
ところで、この検事は文通で
反省や後悔を綴った手紙
を受け取るまで、死刑に疑問を感じなかったのだろうか。
逆に、この検事が事件の遺族と文通していたとしたら、どうだろう。
今度は
「遺族の悲しみは極刑をもってしか晴らせない」
なんて言いそうだな。
まあ、そんなセンチメンタルで流されやすいのが普通の反応ではあるのだが、この検事が証言するとき、自分が犯人と遺族のどちらとより長く接してきたのかを考えたのかどうかは、ちょっと興味があるな。
金魚が死んでしまった。 6年の命は、長かったのか短かったのか。