紅葉

向島用水路の紅葉は今が見頃。 木の下から見上げると紅葉が日に透けて綺麗なのだが、今日は生憎の曇り空。
父と散歩をする時は、浅川沿い、向島用水路沿い、京王ストア、高幡不動、と歩くことが多い。 京王ストアで俺が買い物する間、父は休憩も兼ねてベンチに座って待っている。
買い物をする前に 「何か食べたいものがある?」 と、父に訊いてみるのだが、その答えがここ最近で変わってきている。
まあだいたいいつも 「何でもええ」 なのだが、以前はその何でも良いの中に 「なんか刺身みたいなのが食べたいのぉ」 が混ざることが多かった。 しかし最近は刺身が出てくることは少ない。 寿司を買って帰るととても嬉しそうなので、刺身が嫌いになった訳では無いと思うが、寿司も刺身も父の口から出てくることは少なくなった。 頭に浮かんでいても、その名前が思い出せないだけなのかもしれないが。
そんな刺身に代わって聞くことが増えたのが豆腐。 「なんか豆腐みたいなのが食べたいのぉ」 と。 多分、これが年齢に応じた自然な変化なのだろう。 だからこそ、年寄りは意識して肉を食う必要があるのだな。
刺身にしても豆腐にしても、はっきり言い切らずに 「〜みたいなの」 とふわっとした言い方になっているのは、父的な遠慮の表現。 どっちが良いか訊かれて 「〜でいい」 と答えるのと同じ。
その言い方は良い印象を与えない。 はっきり 「〜がいい」 と答えた方が良い。 そう言え。 と、母からはもう何十年も言われ続けてきたのだが、その意味を理解しないままに呆けてしまった。