2005 03 13

何を望んでいるのか

夢を見た。

祭りらしい賑やかな雑踏の中を、あいという女の子と歩いていた。 サマーセーターのようなゆったりした服と桜色の物凄く短いタイトスカートで、俺の少し前を歩く彼女は、どう見ても眞鍋かをりなのだが、あいなのである。 インリン・オブ・ジョイトイみたいに、あいの後ろに何か続いていたはずなのだが、それは忘れてしまった。

いつの間にか雑踏を抜けて、人通りの少ない暗がりに来ていた。 あいはスカートの端をぐいっと捲り上げて左側のおしりを剥き出しにすると、俺の手を取って触らせた。 「さっきからずっと見てたでしょ? そんなに気になるんだったら、気がすむまで触らせてあげようと思って」 と、にこにこしながら言うと、そのまま、俺の手をおしりに押し付けたままで歩き出した。

吃驚して硬直してたから、引きずられるようにして俺も歩きだした。 しかし意外にすぐに落ち着くもので、落ち着くと状況を楽しむ余裕も出てきた。 「すべすべしてて、でも吸い付くようでもあるな」 とか 「歩くときってこんな風に筋肉が動くのか」 とか。 ちょっと手を動かしてみると、くすぐったそうに身を捩って俺の手を抑える力を強めるのだが、それが掌に伝わる感触をより確かなものにして、そのせいでまた悪戯心が刺激されるインフレスパイラル。

明るい道に出たところで、手を放してスカートを下ろした。 「あら、もういいの?」 と言う彼女。 「他の人に見せるのはもったいないからね」 と答えると、 「そんなもんなの?」 と笑ってた。

暫く歩いて寺に入った。 俺はこの寺の離れに住んでいるのだ。 庭に出て何かやっていた住職に挨拶し、離れに入ろうとするところで、近所の高校生2人が駆け寄ってきた。 「あいさんですよね?」 「サインください!」 なんて。 こいつら、昨日も(実は昨日は名前は忘れたが見た目は山田優を連れ帰っていた)同じことを言って五月蝿く付き纏いやがったんだよな。 追い払っても追い払っても、家の周りをうろうろして、覗きまでして。

今日は覗かれないようにちゃんと鍵を掛けようとして気が付いたのだが、スライド式のガラス戸4枚のうち、鍵がかかるのは真ん中の2枚だけ。 その鍵も、2枚のガラス戸を繋げるだけのもの。 一番左は固定されているからいいのだが、一番右は自由に動くし、鍵を掛けた2枚もその2枚ごと動く始末。 途方に暮れていると、早速さっきの高校生が、ガラス戸を動かして顔を出した。 「あいさん、サインください!」 とハンカチらしい白い布を差し出して。

そのハンカチを受け取って拳に巻くと、そいつの顔を思いっ切り殴った。 「ぶぎゃ」 なんて間抜けな声を上げてひっくり返り、顔をおさえてのたうち回るそばに行って、今度は顔を踏みつけた。 「勝手に入ってくるなって昨日も言っただろ」 と踏みつけた。 「謝れよ」 と踏みつけた。 「ごめんなさい」 と言いかけたところで踏みつけた。 何度も何度も踏みつけた。 気が付くと顔の半分ぐらいが地面に埋まってた。

そんな夢。

目が覚めて、自分が少々心配になった。 いろいろ抑圧されたものが溜まっているんだろうか。 大丈夫か? 俺。 しかも心配する内容が、今時の若者が嫌いなセクハラ親父みたいだってのはどうよ。 因みに、山田優は最近いいなと思っているが、真鍋かをりはあんまり好きじゃない。 それに、眞鍋かをりはあんな話し方をしない。 あ、だから名前が違うんだろうか。 体だけ眞鍋かをりで、中身は全然違うタイプを希望しているとか。 山田優についても。

そうそう、夢とは関係ないが、指の長さと暴力的性格との関連性について。 どこかの学者の研究によると、人差し指が薬指よりも短い人は、 「殴られたら殴り返すような暴力性」 が強いのだそうだ。 殴られたら殴り返す。 これが、 「殴られなければ、自分から殴ることは無い」 という意味なのか、それとも 「単純に暴力性と言ってしまうと、指の長さによる偏見が生じるかもしれない」 と配慮した表現なのかは判らない。 俺の人差し指は薬指よりも短い。