石原君が見事当選した都知事選だが、これに対するマスコミの関わり方に疑問が残る。
現状、東京都が抱える最大の問題は財政だろう。 対策として出てくるのは、 「無駄な出費を押さえて、効果的な投資をする」 しかない。 候補者によって違うのは、何が無駄で何が効果的かという具体的な項目だ。 総論が同じで各論が違うわけだが、しかしそれこそが見るべき所ではないかと思う。 一口に無駄を省くと言っても、 「使っていない土地建物を整理する」 と 「要人警護にかかる費用を国に要求する」 とでは、その発想の方向が全く違う。 そういうところに現れる各候補者の方向性が、誰に投票するかの判断材料になるのではないかと、俺は思うのだ。
ところが、テレビも新聞も雑誌も、 「枝葉が違うだけで、基本的には同じ。 いつもながら代わり映えの無い候補者」 などと一括り。 テレビ朝日なんて、わざわざ討論番組を設けて候補者を呼んでおきながら、番組の最後に、 「違いがよく判りませんでした」 なんて言っていた。 (それって、 「討論番組としては失敗でした」 ってことだろ?)
そうやって、早くから立候補していた候補者を 「似たようなもの」 にしてしまい、その一方で石原君に注目させて、立候補決定前から、出るか出るかと大物感を煽る。 これでは、マスコミ全体で石原君を応援しているようなものではないか。
とまあ、そんな疑問を感じたのだよ。