「梅雨入りしたような気がする」 と気象庁の弱気な発表があってから、まだ1日しか雨が降っていない。 今日もいい天気なので、河原を散歩した。
多摩川の水量が随分減っていた。 そのせいで、本流から取り残されて、水たまりのようになってしまったところが幾つかできていた。 その水たまりの中に、魚(たぶん鯉)が5,6匹いた。 このまま晴天が続けば、やがて水が干上がって、取り残された魚は死ぬだろう。 梅雨らしく雨が降るのも、まぁいいかなと思う。
NHKの番組、 「声なき声に耳かたむけて“HNKチャイルドライン”が映した子どもたちの危機」 を見た。 なんだか中途半端な印象だったのだが、それは途中から見たからなのかもしれない。
塾の講師をしていたときのことを思い出した。
授業が始まる前、ちょっと早めに教室に行くと、生徒(中3の女の子)が話しかけてきた。
「先生、席替えしてよ」
「席替えしたばっかりだろ?」
「そうだけど、でも私、あの子の隣は嫌なの」
「何で?」
「あの子、酷いんだよ。 人の男を取ってばっかりいるの」
「人の男を取るって…」
「本当だよ。 それでみんな怒ってるんだから」
「取るって言うけど、男が選んだことでもあるんじゃないの?」
「騙されてるのよ。 見た目は可愛いから。 先生も気を付けた方がいいよ」
「俺も?」
「だって、先生のお気に入りでしょ?」
別にお気に入りと言う訳ではないのだが、そんな風に見えていたのだろうか。 もちろん嫌いというわけでもなくて、いや、そんなことはどうでもいいのだな。 具体的に何人の男を取ったのかと訊いてみると、はっきりしてるのは一つもなく、みんな怒っていると言うその 「みんな」 は、友達の4,5人のようだった。
授業後、男を取ったと言われていた 「あの子」 が、話しかけてきた。
「先生、どうすれば噂って流せるんですか?」
「噂? 何で?」
「私、男たらしって噂になって困ってるんです」
「男たらしか。 そりゃ嫌だよなぁ」
「だから、そんなの消しちゃうような噂が流せたらいいでしょ?」
「んー…噂を流すのは、まぁできなくはないけど…」
「どうするんですか?」
「友達に『誰にも内緒の話』って前置きしてから話せば、広がっていくと思うよ」
「えーっ、私の友達、内緒の話って言ったら黙っててくれる人ばっかりですよ」
騙されててもいいから、こっちの味方になろうと思ったよ。 だからどうするって訳でもなかったんだけど。 しかしまぁ、友達というものを全然信用していない俺の考え方も、ちょっと問題ありなんだろうな。
明日は浜松町。 暑くなるらしい。