ミュシャ
連日の美術館巡り。 今日は渋谷の bunkamura で みんなのミュシャ - ミュシャから漫画へ - 線の魔術 を見てきた。 見応えがあった。
去年、いや一昨年だったか、ミュシャ展をやっていた国立新美術館に行って、あまりの人の多さに見るのを諦めたことがあった。 今日もその二の舞になるんじゃないかと不安だったのだが、全然余裕だった。 前回からまだそう間が無いことも、混雑しない理由の一つなのかもしれない。
展示構成は以下の通り。
- 序 - ミュシャ様式へのインスピレーション
- ミュシャの手法とコミュニケーションの美学
- ミュシャ様式の「言語」
- よみがえるアール・ヌーヴォーとカウンターカルチャー
- マンガの新たな流れと美の探求
典型的なミュシャ様式の作品と、そのパクリだったりインスパイアだったりが大量に展示されているのだが、印象に残ったのは冒頭の小品。 ミュシャの描いた古典的な絵画作品を俺は今日初めて見たのだが、これが意外に基本に忠実で技術もしっかりしていた。 クリムト展を見たときも思ったことだけど、みんな最初からはっちゃけてる訳じゃないんだね。
習作もたくさん展示されていたのだが、どこに注力しているのかが見て取れて、これがなかなか面白い。 その注力している部分に関しては、もう習作ってレベルじゃないのがね。
が、どうやらその勢いが完成まで続かないらしい。 典型的なミュシャ様式の完成品として展示されている作品は、よく見ると線が不安定だし、習作の中で描き込まれていた細部がごっそり削られていたりする。 まああの画風だし、意図して削ってる可能性も高いのだが。
描かれているのはほぼ女なのだが、そのまたほとんどがヨーロッパの女性画の典型的なスタイルだった。 つまり肉付きが良い。 流れるように表現された髪や服は軽やかさの演出でもあるのだろうが、肝心の女が重そうなのが気になって、俺の中ではなんとも微妙なことに。
スタイルは顔でカバーする。
とは思ってなかっただろうが、顔は綺麗。 陰影をほとんど着けないで強い輪郭線で囲むのは、正面顔を平板でちょっと間抜けに見せてしまうのだが、横顔にはとても効果的。 背景からふわりと浮き上がって、綺麗な人はより綺麗に、そうでない人もそれなりに見せてしまう。
ちなみに、今日一番良いと思ったのは 黄道十二宮 で、横顔が本当に綺麗。 FAIRCHILDのYOUにちょっと似てるような気もする。
同じ横顔の ツタ は、顔を囲む花の茎を模した矢印が全て二重顎を指していて、ちょっと笑ってしまった。 そこがチャームポイントなのか?
終盤に古い明星の表紙がいくつか並んでいたのだが、その一つがミュシャ風のデザインの中央に能面を配したものだった。 なぜこの組み合わせに至ったのかはさっぱり判らないが、そのチャレンジ精神は認める。
天野喜孝と山岸涼子は、きっとミュシャがいなくても、あの境地に辿り着いたんじゃないかと思う。

季節を先取りする H&M も、こう暑い中に秋物は無いと思うのだろう。 広告はまだ夏。 そして季節に関係なく黒人を入れる鉄の掟。

展覧会の会場入り口。 人種的配慮には欠ける模様。