国立新美術館でやっている American Pop Art 展に行ってきた。
館内は程々の混み具合。 入り口付近は結構混んでいたが、後はだいたい自分のペースで見て歩けるぐらい。 出口の売店でまた混雑していたが。 これはつまり、人の足を止める程に訴えるものが無かったってことなんだろうか。 まあ、ポップアートってのはそんなものなのかもしれないな。
展示はおよそ時代の流れに沿ったもので、ポップアートの萌芽から始まり、評価を確立した Andy Warhol が最後という構成だった。
そうそう、足を止めないと言えば 「ダッチワイフ」 というタイトルの作品があったのだが、この作品の前では、特に子連れが足早に立ち去るのがちょっと面白かった。 それまで、作品の解説を読みながら話をしていたのに、ここだけは
「だっちわいふ?」
「そうだね、何だか判らないね」
と、そそくさと。 まあ、そんな所で足を止めて観察している俺もどうかと思うが。
ちなみに 「ダッチワイフ」 は、壁に一つ穴が開いたようなものだった。 もしこの作品名が 「ワイフ」 だったら、今の日本では展示できないかもしれないな。 女性団体の圧力で。
Andy Warhol の作品群は、ああ成る程と思わせる迫力があったが、あれは大きさと繰り返しの効果で、素材はあんまり関係無いような気がしたな。 スープ缶や人の顔が他の物であっても、あまり印象が変わらないんじゃないだろうか。 って、そうやって取り替えがいくらでもできる物を選んで並べたことこそが彼のポップアートなんだよな。
外に出ると、チケット売り場には長い行列ができていた。 俺がチケットを買ったときは待ち0だったのは、時間が早かったからか。 館内も、これからグッと混雑するのかもしれないな。
ついでにサントリー美術館にも行こうと思っていたのだが、疲れたのでまた今度。
夜。 寝ていたはずの父が、廊下の壁に頭を付けて立っていた。 何をしているのかと訊くと、
「何か最近頭がおかしいんかの」
と、ボソッと呟いて寝室に戻って行った。