帷子川にすっかり定着しているアザラシのタマちゃんを、 「タマちゃんを想う会」 と称する人たちが捕獲しようとしたんだとか。 捕獲して、北の海に返すつもりだったらしい。 結局捕獲は失敗。
それだけなら、 「ああそうか」 と思うだけだが、彼らはアザラシ保護のための捕獲を要求してもなかなか実行されないことから、 「水質・川底の調査」 と嘘を申請し、自分たちで捕獲を強行したらしい。 自分たちが正しいと思うことのためなら、手段を選ばず実行する ってことか。
地元にはもう一つ 「タマちゃんを見守る会」 があって、こちらは 「自然に来たものだから、このまま見守っていればいい」 という主張らしく、捕獲しようとしていた人たちと対立していた。 その対立のシーンがね。
「こんな汚い川で暮らして、健康にいいはずが無い」
「十分元気じゃないか」
「病気になってからじゃ遅い。 既に痩せている」
「痩せてない」
と、こんな感じ。 ここにアザラシがいるのは可哀想と思うから、アザラシは不健康だと言う、想う会。 ここにアザラシがいて欲しいと思うから、アザラシは健康だと言う、見守る会。 どちらも、 自分たちの願望に都合がいいように現実を見る 訳だ。 ここでもし専門家が出てきて、 「アザラシは健康です」 と診断したら、想う会の面々は、 「あれは藪医者だ」 と、全然その言葉を信用しないだろう。 逆も同じ。 「〜の会」 と名乗ってはいるが、こいつらはもう 「タマちゃん教」 というカルトの2派なんだな。 馬鹿は、手頃なやりがいを与えるのが上手く使うポイントだが、ほっとくと禄でもないところにやりがいを見つけて暴走する。 困ったものだ。