小惑星イトカワから、幾多のトラブルを乗り越えて、ハヤブサが帰還した。
いや、帰還って言うのはどうだろう。 帰還したのは、小惑星でサンプルを採取したかもしれないカプセルだけで、本体は燃え尽きたのだから。 最初からそうなる計画ではあったのだが、燃え尽きるってのは、ねえ。 どうせなら、燃え尽きないでシーシェパードの事務所に激突すればいいのに。
こいつの帰還に胸を打たれるのは、大学の卒業研究がイオンエンジンだったこともあるのだろうか。 今はまるで関係ないことを仕事にしているのだが。 いや、だからこそ、なのかもしれないな。 もちろん、ずっと研究を続けて今回の成功に導いた技術者には比べるのもおこがましいが。 選ばなかったのは自分の意志なのに、こいつの出発を、嫉妬無しには見れなかったんだよなぁ。
こいつをつい擬人化して見てしまうのは、俺だけじゃないだろう。 熱い使命感と冷静な頭脳の鋼の男とか、 「あ、あれ? ご主人様? どこですか? っていうか、ここはどこですか?」 みたいなドジッ子とか、擬人化の仕方は人それぞれだろうが。 あ、でも、基本は 「頑張って帰ってきました!」 って路線なんだろうな。 ニュースを見る側の好意的な感情の反映ってことで。 行きたくないと泣くのを無理矢理送り出され、 「ここまでこき使って、最後の最後で切り捨ての焼却処分かよ」 なんて恨みに思っているパターンは、きっと少ないだろう。 少ないと思いたい。
ちなみに、JAXA公式のハヤブサ日記では、一人称はボク。 まさかのボクっ娘。 流石はオタク集団、良いところを抑えている。
ハヤブサが最後に送ってきた地球の画像(©JAXA)。 この写真を撮るよう指示したのは、最後に地球を見せてやりたかったからだそうだ。
燃え尽きるハヤブサ(©JAXA)。 カプセルは無事着陸したとのこと。
擬人化といえば、俺ランキングNo.1なのが これ だ。 うっかり見てしまって、不覚にも泣きそうになり、付いたコメントの 「目から酸化剤モレタ」 で泣き笑い。 いや、泣いてないけど。 目から漏れてるのは酸化剤だから。
注)イオンエンジンに酸化剤は要りません。