仕事をしているのがもったいないくらいの、いい天気。
斜め前の席にいる新人君が、ちょっと面白いことを言う。
「渡邊さん、ボクって、甘ったれてるんでしょうか?」
同期の友達が深夜まで仕事をしているのに、自分はドキュメントの修正などのちょっとした手伝いばかりで、その手伝いも今一つうまくこなせていない。 そんな状況から、少々自信喪失なんだとか。
あっはっは…と、笑ってしまった後で考える。 自分が甘ったれているかどうかの判断を他人に求めているところで、もう十分に甘ったれていると思うが、しかし、素直にそう答えていいものか。 ここ最近、 「会社にきたときはすごく体がだるいけど、5時過ぎたぐらいから、ちょっと元気になるんですよ」 とか、 「家に帰ったらすぐに寝るんですけど、2時3時ぐらいに目が覚めて、それからなかなか眠れないんですよ」 とか、鬱の前段階みたいなことを言っているし、これも一つの SOS なのかもしれない。 しかし、正直なところ、そう思うとますます 「その通り、甘ったれてるよ。 今のままじゃ駄目だよ。 もっと頑張らないと」 などと、聞き齧りの 「言ってはいけない言葉」 を連呼して追い詰めてみたくなるんだよなぁ。 けど、それを素直に言うのは、なんだかちょっぴり負けた気分。 かといって、 「そんなことはないと思うよ」 なんて言うのもね。 そもそも俺にそんな SOS なんて投げないだろうし、彼独特のギャグなんじゃないか? 実際面白いし。 そう思うと、定番の答えを言うのも、また違う方向で負けた気分。 負け負けって、いったい何に負けるのか、自分でもよく判らないけど。
あんまり関係無いと思うけど、彼は上戸彩が好きなんだそうだ。 握手会とかで、5回ぐらい会ったと言っていた。 ま、俺には判らない世界だな。
明日は寒いらしい。