2007 03 15

一人世論

またTBS。

昨年末のK-1での桜庭と秋山の無効試合。 これを報じたTBS格闘技番組の中で、 「桜庭にはがっかり」 などと書き込まれた、2chによく似た掲示板の映像が流された。 が、この映像が、実は担当ディレクターが自分で書き込み内容を考えて作成したものだったとのこと。

真似られた2chで、書き込みが不自然であるとして 「また捏造」 と祭り状態に。 これをきっかけにTBSが調査を開始、上記結果の発表に至る。 ただし捏造は否定。 「実在するサイトであるかのように誤解を招いてしまった。 今後は、イメージ映像であることを明確に表示するよう厳しく指導する」 だそうだ。

TBSによれば、担当ディレクターは、どこかで見た掲示板のイメージを再現しようとしたらしい。 これが本当かどうかは知らないが、実際に俺が見た中でも、桜庭を非難するものはあった。 だが、非難の矛先は、圧倒的に秋山に向かうほうが多かった。 反則が明らかになる前の段階で、7対1ぐらいで秋山。 反則が明らかになった後は、ほぼ一方的に秋山。 イメージを再現するなら、掲示板の書き込みは秋山非難で埋まっているはずなのだが。

イメージの掲示板が桜庭非難で埋まっていたのは、メディアが持つと主張する 「編集権」 の行使の結果なのだろうか。 この編集権という言葉を聴くたびに思うのだが、 編集権は知る権利と対立しないのか? メディアはよく 「国民の知る権利」 と言う。 本音でどう思っているかは知らないが、建前上、知る権利は国民にあるということだ。 で、編集権。 編集するとは、つまるところ、何かを切り落とすことだ。 そこで切り落とされたものに対する、国民の知る権利はどこに行くのか。 編集権は、国民の知る権利を制限する権利として働いていないか。 少なくとも今回の掲示板のイメージでは、ネット上の大勢という情報がばっさりと切り落とされていた。 これは、ネットにアクセスできない人がネット上の大勢を知る権利を侵していないか。

ところで、この掲示板画像が不自然だとされた理由だが、行間の空白や句読点の打ち方が綺麗なことと、名無しハンドルネームが格闘技板なのに 「通販さん」 だったことそうだ。 職業柄ってのもあるだろうが、おっさんが無理に若者言葉を使ってみた結果という気もするな。 本人は使えているつもり。 本人だけが、使えているつもり。