昨日は、調子が悪いので午後半休。 そして今日も休み。 だるい。
昨日、帰りの電車の中でのこと。 俺の隣に座った40歳を少し過ぎたぐらいのサラリーマンが、携帯でぼそぼそ話していた。
「ギレンの野望、忘れないで買っといてよ?」
だそうだ。 そうか、ギレンの野望か。 「立てよ国民よ!」 か。
ガンダムの世界。 スペースコロニーに住む人は、地球に住む人を 「重力に魂を引かれた人」 と言う。 これをより正確に言えば、 「魂には質量があって、地球と魂との間に引力が働く」 となるのだな。
現実の世界では、魂に質量があるのかどうか、今のところまだ判っていない。 いや、そもそも魂とは何かすらはっきりしない。 しかし、魂を、想いや気持ちや祈りをひっくるめたものとするなら、この魂に重力が働くらしいことを示唆するものはある。 イスラム教徒だ。 彼らは、どこにいても、日に何回かメッカの方向をむいて祈る。 メッカを中心としたランベルト正積方位図によって決まる、北緯 21.26 東経 39.48 の地点を最短で結ぶ方向を向いて祈る。 メッカの方を向かなければならないのは、彼らの祈りが、脳天から出て直線的に進んでいくからだろう。 ところが、地球は丸い。 メッカが地平線に隠れてしまうところでは、直進する祈りは宇宙の彼方に飛んでいってしまう。 ならば、地球儀によって3次元的にメッカの方向を特定し、その方向に向かって祈ればいいようなものだが、地球の裏側だからと言って3点倒立して祈ったりはしない。 祈りは地中を進めないのだ。 つまり、祈りが正しくメッカに到達するためには、その軌道がちょうど地表に沿うように曲げられなければならない。 そして、地球上のどんな場所でも等しくそのような影響を与えられるのは、重力しかない。 つまり、イスラム教徒の魂は重力に引かれるのである。
重力に引かれるかどうかはどうでもいいとして、俺が一度は見てみたいと思うのは、メッカの真裏にあたる場所でのイスラム教徒だ。 メッカの聖地の近くなら、その場所をぐるりと取り囲むように人の輪ができて、人々は輪の中心に頭を向けて祈ることだろう。 メッカの真裏では、その場所を取り囲むように人の輪ができるのは同じだが、人々は輪の外側に頭を向けて祈ることになるのだな。 南極ではどっちを向いても北ってやつだ。 と思って、メッカの真裏を地図で見てみたら、太平洋だった。 船で行くか。 しかしまあ、同じ地球上で互いの位置が相対的に固定されているならいいけど、宇宙に行ったイスラム教徒は大変だろうな。
自転車を盗まれてしまった。 くそ。