山種美術館でやっている 江戸絵画への視線 ー岩佐又兵衛から江戸琳派へー を見に行ってきた。 開館50周年記念特別展だそうだ。
山種美術館はずいぶん前から存在は知っていたが、行くのは今回が初めて。 だいたいいつも近代から現代にかけての日本画の展覧会をやっているイメージで、見たいか見たくないかと言われると見たいのだが、同時期に他でやってる展覧会にずっと負けてたんだよな。 それが今回は琳派で、ほとんど迷うことなく行こうと決めたのだった。 まあ、琳派の展示は3分の1ぐらいだったんだけど。
展示は、序盤が琳派、中盤が土佐派や狩野派で、終盤は近代日本画。 最後のはもう江戸時代じゃないのだが、何か現代につながる流れみたいなものを見せたかったのだろうか。 これが良いって人もいるんだろうが、俺は要らないかな。 近代画にスペースを取るなら琳派をもっと展示しろよと思う。
人別だと、酒井抱一の作品が最も多かった。 次いで鈴木其一か。 金バックにシャープな草花や鳥が描かれていて、これぞ琳派って感じが良い。 それらの中で一番印象に残っているのは、酒井抱一の弟子である酒井鶯蒲の描いた藤の花。 一瞬目を奪われる。 同じ感想を持つ人は多いようで、思わず 「おぉ」 なんて声をあげてる人もいた。
屏風や掛け軸のような大きなものばかりじゃなくて、和歌の短冊も展示されていたが、こちらは劣化が激しかったのが残念。 まあ、描かれた当時から数百年経っているので、劣化はもうどうしようもないのだが。
この展覧会に限ったことではないが、描かれた当時はこんな感じだったってのも、併せて観れるようにしてくれないかな。 すっかり黒くなってしまった銀の月がまだ本当に銀色だった頃とか、見たい人は結構多いと思うのだが。
館内はどちらかというと狭いのだが、人がそう多くなかったせいでゆっくりと観れた。 狭いと、周回するのも楽でいい。
客層は両極端だったな。 多いのは老人で、次いで子供。 小学生のグループが何か熱心にメモを取っていたのは、夏休みの自由研究だろうか。
俺が小学生だったら、ここに来て何をするだろう。 絵は見るだろうが、自由研究として提出するのはきっと解説文の丸写しだな。 そんなレベルだというのに、提出するのは期限を過ぎて散々催促されてからなのだ。
恵比寿駅から美術館に向かう途中にあったダビデ像。
これがルネサンス期の理想的な男性像なんだろうが、歩いてる途中でいきなりこいつに出くわすと、かなり戸惑う。 そしてなんだか目を背けたくなるのは、股間の一寸法師のせいだろうか。 いや、仮に一寸法師が酒呑童子だったら更に目を背けたくなるだろうから、問題は昼間から露出していることか。
どこだったか、通学路の脇に立てられたこの像に服を着せろという要望が保護者から出てきたんだそうだ。 そのニュースを聞いたときは馬鹿なことを言うものだと思ったが、実際こうして目の当たりにすると、そう言いたくなる気持ちもちょっと判る気がする。
写真じゃ分からないが、こいつ、瞳がハート形なんだよな。 全裸で目がハート。 危ない人だろ。
山種美術館。 外壁がちょっと良い感じ。
家のベランダで咲いていたチューリップの一種が種を作っていた。 チューリップって球根だと思っていたけど、種も作るんだね。 今度蒔いてみよう。
種が収まっていたところ。
こいつ、朝夕は花を閉じていて、昼にだけ開く。 そして花は数日で終わってしまう。 結局、ほとんど開いている状態を見ないままだった。