夢で撫でたら

高幡不動の蓮の花。 今が見頃。
蓮の花を見ているうちに、随分前に見たネットの書き込みを思い出した。 で、家に帰って探してみたら見つかったのだが、見つけるまでにちょっと苦労した。
なんでもそうだけど、判っていて検索するとすぐに見つかるが、フワッとした状態で検索してもなかなかヒットしないんだよな。
まあそれはそれとして、次にまた見たくなった時に探さなくても済むように、ここに残しておく。
うちの父と母は同い年で、生まれた頃からの付き合いだったというのおさななじみ。 20の時に結婚したって話だから、ゴールまで20年というそれこそ大恋愛の末に結婚したそうな。
いい年こいたおっさんとおばさんがそのへんのバカップルよろしく茶の間で四六時中イチャイチャしてるような環境で育ったおかげで、ちょっとやそっとの下世話な話や街中で平然と抱き合うようなバカップルでも全く腹が立たないのは、まあ教育のたまものともいえるかもしれないな…
そんなはた迷惑な中年であったうちの両親だったのだけど、父が42の時に癌で死んでしまうと、いつもはニコニコと笑顔の絶えなかった母が、人が変わったように暗くふさぎこんでしまうようになった。
息子で長男の俺は、父の死も束の間に、どんどんと痩せ細っていく母をなんとか励まそうと色んな観光旅行に行ってみたり、趣味になるようなものを色々と勧めてみたりしたけれど、やっぱり母は以前のようないやみのない笑い顔を見せることはどんどん少なくなった。
2つ年の離れた妹と一緒に頭を抱えて、眠れない夜を過ごしたある明け方に、急に前のような笑顔を顔に浮かべた母がおきてきた。
「何かいいことでもあったの」
と聞くと
「お父さんが夢に出てきて、私のお尻をなでて『やわらかいなあ』って言ったの!」
ととても嬉しそうな顔で母は言った。
何がそんなに嬉しいのかと呆然としている俺達兄妹を尻目に、その日から母はまた少しずつ元気を取り戻していった。
このことを思い出すたびに、呆れる気持ちと一緒に
「自分もそんな、それこそ一生もんの相手にめぐりあえるといいな」
と羨ましい気持ちもこみ上げてくる。
なんとなく実家に帰って母の顔を見たら思い出したので書き込んではみたものの、泣ける話かどうかは怪しいです。
他人と一緒に暮らしたいとは思わないし、仮に思ったとしても、実際にやるときっと長続きしない。 そんな俺だが、これを見た時はちょっと羨ましいと思ったよ。
サントリー・オールドのCMがこんなだったよなぁ… とまた思い出して、あのCMで流れていた曲が聴きたくなった。 で、検索したら、こっちはすぐに見つかった。
Don don din don shubi da don Oh deh... Oh!
これ、小林亜星だったんだね。 作詞も作曲も。 CMは外人が歌っていたらしいけど、俺がYouTubeで聴いたのは本人の歌で、これがなかなか良い味出してた。
恋は、遠い日の花火ではない。
いつか俺にも、こんなことを思う日が来るのかね。