数日前から違憲判決を期待したような報道がなされていたが、実際の判決は、夫婦同姓は合憲、再婚禁止期間の101日以上が違憲という結果だった。 朝日新聞から。
「夫婦は同姓」「女性は離婚して6カ月間は再婚禁止」とする民法の規定は、憲法に違反しないか。 明治時代から100年以上続く二つの規定について最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が16日の判決で、初の憲法判断を示した。 いずれも国への賠償請求は退けたが、夫婦同姓については「合憲」と判断。 再婚禁止規定については100日を超える期間の部分を「違憲」とした。 最高裁による違憲判断は戦後10例目。 法務省は再婚禁止期間を100日とするよう全国の自治体に通知し、即日実施。 民法改正の作業も進める。
夫婦同姓を定めた民法750条の規定については、東京都内の事実婚の夫婦ら5人が2011年に提訴。 国会が法改正を長年放置したため精神的苦痛を受けたとして、計600万円の損害賠償を求めていた。
判決は、夫婦同姓の制度について「社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」と指摘。 どちらの姓を選ぶかは当事者に委ねられており、性差別には当たらないと判断した。
現実には妻が改姓することが多く、アイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益が特に近年増していることを認める一方、旧姓の通称使用が広まることで「一定程度は緩和できる」と指摘。 夫婦同姓が、憲法の定める「個人の尊厳」や「男女の平等」に照らし、合理性を欠くとは認められないと結論づけた。
ただ、この判決が「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」とも述べ、「この種の制度のあり方は国会で論じ、判断するものだ」と国会での議論を求めた。
結婚や家族の法制度を定めるにあたって、国会の裁量が及ぶ範囲にも言及。 憲法で直接保障された権利とまでは言えない「人格的利益」や「実質的な平等」を実現していくあり方は、「その時々の社会的条件や国民生活の状況などとの関係から決めるべきで、伝統や社会状況を踏まえ、夫婦や親子関係を見据えた総合的な判断が必要だ」などと提言した。
15人の裁判官のうち、10人の多数意見。 5人が「違憲」とする反対意見を述べた。 3人の女性裁判官は全員が「違憲」とした。
割と誤解されているようだが、合憲という判決は、これが良いと言っているのではなくて、単純に違憲か合憲かの線引きをしたら合憲だって程度のものだったりする。 現在は同じ姓にすることとしている民法を、この先も変えちゃダメと言ってるわけではないのだ。 記事は裁判官の言葉を引用して書いているのでちょっと判り難いが。 仮にそうした法改正が成されたとして、その後に別姓を認める新民法が違憲だと夫婦同姓派が提訴しても、きっと合憲だと判断されるだろう。
で、姓だが、現状男の姓にするばかりってのは別に差別ではないだろうと思う。 民法ができた頃からちょっと前までは、外で働いて収入を得るのがほぼ男で女は家というパターンが多かったので、外を向くことが多い男が姓を保つ方が家族全体で考えたときのデメリットが小さかっただけのこと。 今後、女が男以上に家計を負担してもなお男の姓にするばかりになってようやく差別の気配なのだ。
あと、戦争で男がどんどん死ぬので 「お前は死ぬがお前の姓は残る」 といった希望(?)を持たせる必要があったこともその理由だとしたら、男の姓にするのがが多いのはむしろ酷い男性差別の名残だよな。
再婚禁止期間については、規定を廃止して親子鑑定を義務化しろと思うだけ。 子供が生まれた時にやるのが理想だが、最低でも離婚時は義務化で。