揉め事を解決するのが法律だと考えるなら、性善説で法律を作るというのはもう根本的な間違いなんだよな。
女性にのみ離婚後180日間の再婚禁止期間を定めている民法の規定は必要以上の制約で、法の下の平等を定めた憲法に反しているなどとして、岡山県総社市内の20歳代の女性が国を相手に慰謝料など165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、岡山地裁であった。
世森亮次裁判官は「規定には合理性があり、社会的な状況を考慮しても憲法に反するとは言えない」などとして原告の請求を棄却した。 原告側は控訴する。
訴状などによると、女性は2008年3月、家庭内暴力などが原因で前の夫と離婚し、現在の夫と同10月に再婚した。 離婚の直前に現在の夫との間の子を妊娠していたが、再婚禁止期間の規定で、離婚直後に再婚できず、精神的な苦痛を受けたとしている。
この法律によってもたらされるものが何かというと、今回の場合、女には自分の子供の(主に金銭的な)保護者であり、元夫には他人の子供の養育義務なんだよな。 有利不利を言うなら、男の方が圧倒的に不利だろう。
いつ再婚できるかについてなら、形式的には女に対して禁じているのだけど、その女が結婚したい相手である男も、やはり180日は結婚できずに待たされる。 つまりこの女の再婚についてなら、男女は平等なのだな。 って、これはさすがに屁理屈か。
メリット/デメリットを再婚相手まで含めて並べると、
有利 | 不利 | |
---|---|---|
女 | 子供の養育者を得る。 | 再婚を180日待たされる。 |
新夫 | 自分の子供の養育の補助を得る。 | 再婚を180日待たされる。 |
元夫 | 他人の子供の養育義務を負わされる。 | すぐに再婚できる。 |
となって、なんか180日がすごく軽く見えてくる。
再婚相手の稼ぎがよくて養育費なんか貰う必要が無いなら、子供の籍に元夫の名前なんて邪魔なだけだろう。 子供が大きくなった時に変に勘繰られたりするのも嫌だろうし。 そうした考えなら、関わりを残されることは再婚を待たされるよりも遥かに大きなデメリットなのかもしれない。
まあ、それでも、この法律によって受けるデメリットは、元夫の方が大きいと思う。 元夫と元妻のどちらにとっても良いことは無いのだからもう廃止しようと言うならまだ判るが、一方的に女が不利益と主張するのが、なんか胡散臭いんだよな。 DVってのも、離婚理由を自分の浮気にしないためと、早く離婚を成立させるためとで、無理矢理持ち出しただけなんじゃないのかね。 むしろDV関連の法律やその運用こそ酷い男女差別なのだが。 って、まあ、誰だって差別が有利に働くときは知らん顔なのだが。
実際、法律は推定しか手段が無かった頃のものもで、今となっては確かに古くさい。 せっかく技術が進歩したのだし、離婚がどうとかに関係なく、子供が生まれたら親子鑑定することを義務付ければいいのだ。