介護施設から先日の問題で詫びにきた。 詫びにくるなら、その時に問題の原因と対策、再発防止策を示すようにと言っておいたのだが…
正直な話、直接原因なんてどうでもいいんだよな。 施設側の回答は 「その職員に問題があった」 ってことなのだが、問題職員かどうかは問題が起きて始めて判ることで、採用時にはその人が絶対に問題を起こさないなんて判らない。 つまり、問題を起こす人を雇ってしまう可能性は排除できないのだ。 再発防止策ってのは、そんな問題職員でも、或は普段はちゃんとしているけど今日はちょっと調子が悪くてぼんやりしている人であっても、誰がやろうが同じ問題は起こさないようにすることだ。 それが朝礼で注意喚起って…
「例えば、鍵を閉めるところを動画か写真を撮って送って確認して出発すれば、ほぼ100%再発防止できますよね?」
「確かにそうですが、職員にはそうした物に不慣れな者も多くて、難しいと思います」
「そのぐらいすぐに慣れるのでは?」
「慣れたとしても、写真を撮ることに注意が行って、肝心の利用者への注意が疎かになる可能性があります」
「だったら鍵をかけた後にドアの写真を撮るでもいいでしょう。 朝礼で注意するより遥かに有効だと思いますが」
「そこまでやると、職員がみんな辞めてしまうと思います」
「信用されてないとか、疑われるのが嫌とか、そんな理由で辞めるってことですか?」
「はい」
まあ、俺も本気で写真を撮れと言ってる訳ではないのだが、まさかそれで全員辞めるなんて返ってくるとは思わなかったよ。 「疑われる」 ではなく 「自分のうっかりをフォローしてくれる」 とは考えないのかな。 まあ、きっかけがこれじゃあ考えないか。
しかし、その場の思いつきだった写真だが、結構良いアイディアだと思うんだけどな。
運用はこんな感じか。 写真を送って確認してから出発するのは電波事情もあって現実的ではないと思うけど、後で確認するだけでも十分有効だろう。 後で確認だと、問題の発生は防げないけど、発生したときの対応はすぐにできるし。 少なくとも、気付かないまま一日中鍵がかかってないままってことにはならないだろう。
他にも少し話をしたのだが、結局は注意喚起以上のことはできない/しないということだった。 ちょっとびっくりしたのが、
「それは、効果が無いってことはないけど、ちょっと弱いですよね?」
「そうですね。 ではこれは止めます」
なんてやりとりがあったこと。
こちらの問いかけに、少し考えてから答えることが多いのだが、このときだけは即答だった。 代案を出すでもなくただ 「止めます」 とだけ言っちゃうとか、やりたくない感が良く伝わってきたよ。 まあ、運営側からするとそんなもんだろうけどさ。 いや、向こうからすれば、無理難題を出されてウンザリなのかもしれないな。
お詫びにと持ってきたクッキーがまた今一つだった。
警察から電話があった。
何かと思ったら、父が、免許証を警察に預けてあるはずなのだがどうなっているのかと何度も電話をかけているとのこと。 一応確認したがそんな事実は無いし、1回の電話で30分ぐらい時間を取られて、それが何度もかかってくるので大変なんだそうだ。
「すみません、アルツハイマーでいろいろ判らなくなってるんですよ」
「あー、やっぱりそうですか」
「でも、携帯を持たせない訳にもいかないんですよね。 家に帰って来れなくなったこともあって」
「大変ですね。 それでは、次にかかってきたら適当に切り上げるようにします」
「はい。 すみませんが、それでお願いします」
そう言えば、数日前に父が 「昨日、運転しよったら警察に止められて、免許証を渡した」 と言っていたな。 その時は、免許証は俺が預かっているし、運転する車は家にはないし、車の運転はもう7年以上していないと言っておいたのだが、もうすっかり忘れてるんだろう。 はあ…。
再発防止策? 何それ、おいしいの?